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2020年電子書籍市場は4821億円/巣ごもり需要の拡大受け28・6%増加/インプレス総研が調査
日時: 2021/10/30 18:41:41
情報元: 日書連

インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、2020年度の電子書籍市場動向を発表。電子書籍市場は前年比28・6%増の4821億円で、19年度の3750億円から1071億円増加した。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外出自粛による巣ごもり需要や、社会現象ともなった『鬼滅の刃』(集英社)の影響が大きく、市場が大きく拡大した。インプレス総合研究所では、25年度には6700億円を超える市場に成長すると予測している。なお、本年より電子書籍市場の定義を見直し、これまで区分けして集計していた「電子雑誌」を「電子書籍」に含めることとして、過去に遡ってデータを修正した。
20年度の電子書籍市場規模の内訳をみると、コミックは前年度から1013億円増の4002億円(市場シェア83・0%)、文字もの等(文芸・実用書・写真集等)が同72億円増の556億円(同11・5%)、雑誌が同14億円減の263億円(同5・5%)となった。
スマートフォン・タブレットのユーザーに対して、電子書籍の利用率を調査したところ、有料の電子書籍利用率は20・5%となり、前年から0・5ポイント増加した。無料の電子書籍のみを利用している人は、昨年から横ばいの24・8%だった。
有料電子書籍利用率が高いのは男性20代の29・5%、男性30代の28・5%、女性30代の25・5%で、男女とも20代、30代の利用率が高い。無料の電子書籍のみの利用率が最も高いのは女性10代の37・6%で、男性10代の30・9%、女性20代の29・7%と続く。男女とも10代が最も高い比率で、年代が上がるほど低下する。性年代別の利用率を昨年と比較すると、利用率が増加したのは男女とも20~40代で、10代や50代以上の利用率は横ばいか減少している。
都度課金に加えて定額制のサービスが始まり注目を集めているオーディオブックについて、利用経験と利用意向を尋ねると、「よく利用する」は2・2%、「たまに利用する」は4・7%となり、両者を合わせたオーディオブックの利用率は6・9%となった。「利用したことはないが、利用したいと思う」と回答した利用意向を持つ人は17・9%だった。
利用している電子書籍サービスやアプリは、「LINEマンガ」が27・8%で最も高く、2位は「Kindleストア」26・2%、3位は「ピッコマ」23・8%、4位は「少年ジャンプ+」15・9%、5位は「楽天Kobo電子書籍ストア」11・8%。
20年度のマンガアプリの広告市場は前年から50億円増の260億円となった。21年度の市場規模は280億円に達すると予測している。無料でマンガを読めるアプリやサービスの利用が引き続き拡大している一方、新型コロナウイルス感染拡大により広告指標の悪化から広告単価が下落。また、20年秋頃からは海賊版サイトの影響が顕在化し、一部のマンガアプリでは大きな影響を受けている。
この調査は、「出版社」「電子書籍ストア」「取次事業者」「通信事業者」「コンテンツプロバイダー」「インターネット広告事業者」等の主要な電子書籍関連事業者へのヒアリング調査、ユーザーへのアンケート等を分析したもので、調査結果をまとめた新産業調査レポート『電子書籍ビジネス調査報告書2021』を発売している。A4判、294ページ。価格(税別)は、CD(PDF)版+冊子が7万8000円、CD版(PDF)版とダウンロード版が6万8000円。詳細・購入はインプレス総合研究所のHPから( https://research.impress.co.jp/)。
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