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図書カード発行高6年ぶり増加/自治体の学習支援で需要増/日本図書普及
日時: 2021/07/21 18:35:44
情報元: 日書連

日本図書普及は6月30日開催の定時株主総会に先立ち、6月16日に東京・新宿区の本社で記者会見を行い、第61期(令和2年4月1日~令和3年3月31日)の決算概況を発表した。
令和2年度は、コロナ禍で休校になった学生への支援策として一部自治体が図書カードを配布し、特に大阪府による小中高生への図書カードネットギフト配布は、総額20億円の大口需要となった。こうした巣ごもり需要もあって、図書カードNEXTの発行高は前年比12・8%増の423億5000万円と6年ぶりに前年を上回った。内訳は、「一般カード」が同4・8%増の379億5600万円、「広告(オリジナルカード)」が同229・3%増の43億9300万円。オリジナルカードのうち、図書カードネットギフトは31億4600万円(同2475・8%増)で、大阪府が配布した20億円を除いても大幅な増加となった。回収高は同0・2%減の379億600万円。種類別の内訳は、図書カードNEXTが344億2100万円(占有率90・8%)、磁気の図書カードは31億6600万円(同8・4%)、図書券は3億1900万円(同0・8%)だった。
加盟店は前期末対比118店減の5537店。読取端末機設置店数は同218店減の7755店、設置台数は同191台減の1万1086台。
損益については、発行高の増加に伴う製作・流通コストの増加や、デザインを一新した一般カードの交換費用の計上等で、販売費及び一般管理費は1億円増の23億4000万となり、営業損失も23億2000万と1億円増加した。前期に1億8000万円を計上した有価証券売却益は、当期は6000万円に留まり、受取利息の6000万円減少などもあって経常損失は3億3000万円増加し約9億円に。しかし特別損益で今期より有効期限の設定されたNEXTカードが対象となった未回収収益の計上額が19億5000万円と前期より4億6000万円増加したため、当期純利益は15%増の6億円となった。
記者会見で平井茂社長は令和3年度の活動として、自治体の採用で認知度が向上してきた図書カードネットギフトの販促強化や、ネット書店等でのWeb決算への利用拡大、書店店頭での採用が増えているセルフレジへの図書カード決済対応に取り組むと述べた。
相賀昌宏会長は、昨年60周年を迎えた同社の設立理念について、図書の普及の役割を果たすこと、業界が協力する要となることと説明し、「当社は、書店でのいろいろな活動や出版業界のインフラ整備などへ支援できる。我々の活動について『まだこの点が足りない』ということを遠慮なくご指摘いただきたい」と要望した。
任期満了に伴う役員改選では、峰岸延也氏(講談社)が取締役に、川村興市氏(楽天ブックスネットワーク)が監査役に新任。森武文取締役(講談社)と服部達也監査役(楽天ブックスネットワーク)は退任した。
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