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日販GHD決算、8期ぶり増収/取次事業も3期ぶり黒字転換
日時: 2021/07/08 14:56:51
情報元: 日書連

日販グループホールディングス(日販GHD)は5月26日、2020年度決算(20年4月1日~21年3月31日)を発表。日販グループ(連結子会社34社)の売上高は5210億1000万円(前年比100・7%)と、2012年以来8期ぶりの増収となった。コミックス売上の大幅な伸長と新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり需要で、取次事業と小売事業の売上げが増えた。
営業利益は41億5100万円(同167・8%)、経常利益は44億2000万円(同181・0%)。増収による売上総利益の増加に加え、返品率削減による取次事業の販売費比率の改善、固定費の削減が貢献した。親会社株主に帰属する当期純利益は24億3900万円(同312・2%)と、利益面でも大幅な増益となった。
事業別では、取次事業が2017年以来3期ぶりに営業黒字に転換し、小売事業、雑貨事業、コンテンツ事業も増収増益となった。一方、コロナの影響を強く受けた海外事業、エンタメ事業は減収減益、不動産事業も減益となった。
取次事業は売上高4792億7000万円(同100・7%)、営業利益11億7500万円(前年は3400万円の損失)、経常利益13億7300万円(同542・4%)。店頭売上の回復に加え、日本出版販売(日販)が取り組むマーケット需要に基づく送品施策や低返品・高利幅スキームの推進、МPDが取り組む買切スキームの拡大などが複合的に作用し、送品高の減少を上回る返品高の減少を実現。流通コストの減少に加え固定費の削減も要因となり、黒字化した。
小売事業は売上高621億2100万円(同101・8%)、営業利益3億2800万円(同1876・0%)、経常利益3億3600万円(同667・0%)で、大幅な増益となった。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発出により、大型商業施設内店舗の一時的な休業や営業時間短縮などの影響があったが、それを除けば、年間を通して好調に推移した。グループ書店の新規出店は8店舗、閉店は14店舗で、2021年3月末時点の店舗数は245店舗となった。
海外事業は売上高62億8900万円(同91・7%)、営業利益1億6900万円(同79・4%)、経常利益1億6800万円(同75・6%)。
雑貨事業は売上高24億9500万円(同129・1%)、営業利益1億1000万円(同1224・6%)、経常利益1億6100万円(同142・1%)。
コンテンツ事業は売上高19億4600万円(同112・5%)、営業利益5億4900万円(同107・0%)、経常利益5億5300万円(同108・0%)。
エンタメ事業は売上高12億7900万円(同73・6%)、営業損失1500万円(前年は6100万円の利益)、経常損失1600万円(前年は6100万円の利益)。
不動産事業は売上高30億8900万円(同104・8%)、営業利益11億2200万円(同96・0%)、経常利益10億4600万円(同93・0%)。
その他事業は売上高89億1800万円(同168・1%)、営業利益1億7500万円(同165・1%)、経常利益3億5000万円(同65・6%)。
日本出版販売(日販)単体の売上高は4201億5100万円(同196・6%)、営業利益は10億1400万円(前年は2億5300万円の損失)、経常利益は11億5500万円(前年は4100万円の損失)、当期純利益は3億9600万円(前年は2億8200万円の損失)と黒字に転換した。
商品別売上高は、書籍が2045億100万円(同99・8%)、雑誌が1091億7000万円(同88・4%)とマイナスとなった一方、コミックスは880億2400万円(同130・6%)、開発品は271億4200万円(同100・9%)と増加した。
返品率は、書籍28・7%(2・2ポイント減)、雑誌47・1%(同0・3ポイント減)、コミックス19・7%(同6・1ポイント減)、開発品36・0%(同4・8ポイント減)、合計33・6%(同3・1ポイント減)と改善した。書籍返品率が20%台の水準になったのは29年ぶりのこととなる。
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