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書店へ万引防止の啓発活動推進/矢幡本部長「利益を保全し、安心な購入環境を提供」/出版万防総会
日時: 2020/11/20 17:45:48
情報元: 日書連

出版業界6団体1企業で構成する「万引防止出版対策本部」(出版万防)の第4回総会が10月8日にリモート会議で行われ、矢幡秀治本部長(日書連会長)はじめ本部役員、賛助会員、事務局委員が出席した。矢幡本部長は冒頭のあいさつで、「書店への啓発活動で万引を減少させ、利益の流出を食い止めるとともに、お客様に安心、安全な購入環境を提供するという書店の責務を果たしていく」と万引防止に取り組む決意を述べた。
出版万防は全国万引犯罪防止機構(万防機構)の下に2017年9月に設立。正会員は日書連、日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本出版取次協会、日本出版インフラセンター、日本医書出版協会、日本図書普及。賛助会員としてブックオフコーポレーション、出版文化産業振興財団が参画している。
総会の冒頭であいさつした矢幡本部長は、「当本部の3年間の取り組みは、万引防止に資する様々な手法を開発し、それぞれ成果を出しつつある。当本部から書店に向けて啓発活動を行い万引を減らしていくことを基本と考えている。利益の流失を食い止め、お客様に安心、安全な購入環境を提供するという書店の責務を果たしていきたい」と万引防止への決意を示した。
続いて矢幡本部長を議長に選出して議事を進行し、3年目の活動報告と決算報告、4年目の活動計画と予算計画をそれぞれ承認可決した。
3年目は主な活動として、(1)日書連と協働し初の全国統一書店用万引防止ポスターを企画、(2)盗品のインターネット出品監視体制の研究と試行、(3)万引防止研修用ビデオを期間限定でYouTubeに無料公開し、同DVDを販売、(4)被害届受理迅速化のための書き方を研究し手引を作成、(5)ある書店で発生した万引事案に関し万引犯に対する損害賠償請求を実施、(6)新古書店との連携の嚆矢としてブックオフの万引防止ポスターに名義協力――の6つを行った。
この他、渋谷書店万引対策共同プロジェクトを継続実施するとともに、買い物袋有料化に伴う万引被害急増の声を受け、万防機構と協力してマイバッグ使用マナー啓発ポスターを緊急制作した。
4年目の活動計画は、引き続き前期の課題に取り組むとともに、(1)「書店の外的環境への対応」と(2)「書店の内的環境に対する働きかけ」を2本柱として展開する。
(1)は、常習犯による大きな万引被害が発生する要因となっている転売を防止するため、不正品を出品させない・買い取らない仕組みづくりに向けた活動を展開。1.インターネット事業者との協働、2.新古書部会の創設、3.万引被害実態調査の実施、4.ICタグ等個体識別方法の研究――の4つに取り組む。
(2)は、書店が自店で万引防止に取り組めることへの支援施策の展開を進める。具体的には、1.研修支援対応、2.ポスター等万引防止ツールの提供、3.渋谷プロジェクトの成果の水平展開、4.地元警察関係、万引防止協議会等との地域的連携体制構築のための資料提供、5.万引犯に対する損害賠償請求の実施支援――の5つを推進する。
閉会のあいさつで相賀昌宏副本部長(小学館)は、「盗品の転売問題は新古書店の買取部門、ネットオークション、ネットフリマ、ネット通販のインターネット事業者との連携がないと解決しない。商品の同一性を証明する仕組みが可能なこともいろいろ見ている。あきらめずに追及してほしい」と述べた。
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