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帝国データバンク/出版関連業者の経営実態調査/取次の売上高、10年で25%減少
日時: 2019/12/30 19:55:11
情報元: 日書連

帝国データバンクは、企業概要ファイル「COSMOS2」(約147万社収録)から、2019年9月時点での出版社、出版取次及び書店経営を主業とする企業4734社を抽出して「出版関連業者」と定義し売上高合計、企業実態などを分析したレポートを発表した。同レポートでは、「出版社」については新聞社を除き、「書店経営」は店頭販売を行う書店のほかに、中古書店やネット販売も扱う業者を含めている。
2008年度及び13年度から18年度まで売上高が判明した出版関連業者3740社をみると、18年度の出版社の売上高合計は1兆6036億4700万円で前年度比0・2%減少し、2年連続のマイナスに。取次は1兆5195億3200万円(同4・3%減)で5年連続の減少、書店経営は1兆652億6000万円(同1・3%減)で3年連続の減少になった。業界全体として10年前の08年度比でみると、減少率は2桁を超え、取次では25%の減となった。
出版関連業者4734社のうち18年度の「売上規模」が判明した4724社をみると、全体では「1億円未満」が2438社(構成比51・6%)で最も多く、次いで「1億~10億円未満」が1794社(同38・0%)となった。全業種ともに小規模事業者が多く、特に書店経営業者は「1億円未満」の構成比が最も高く全体の57・4%を占めている。
出版関連業者4734社を「都道府県別」にみると、全業種で「東京都」がトップとなり、全体でみると2位の「大阪府」の8倍以上と突出している。3業種それぞれにみても、「大阪府」「北海道」「愛知県」など主要都市を有する都道府県に多いという分布になった。
レポートのまとめでは企業の動向について、出版社では、デジタル分野の販促強化で雑誌の落ち込みをカバーした企業、取次では、教科書の一部改定や道徳の授業の教科書化における学習商材の販売数を増加した企業、書店経営では、店舗のスクラップアンドビルドを進め、書籍・雑誌以外の雑貨や文房具など多角的に店舗を展開した企業がみられたと紹介。
また、入場料を取る書店や、日販とトーハンの物流協業化による業務効率化、アマゾンジャパンの買切方式導入など業界それぞれの変革も注目されているとし、「紙からデジタル化への対応のみならず、新たなビジネスモデルを模索する動きがある。しかし本業以外のノウハウが未熟であるような業者においては、投資次第では倒産につながるリスクともなりかねない」と指摘している。
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