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日販連結決算、19年ぶり赤字/取次事業も初の営業損失
日時: 2019/06/22 20:25:18
情報元: 日書連

日販は5月29日、第71期(18年4月1日〜19年3月31日)の決算を発表。連結決算で純損益が2億円の赤字となった。赤字決算は2000年3月期以来、19年ぶり。また、取次事業で初めて営業赤字3億円を計上した。雑誌販売の落ち込みと物流コストの上昇が響いた。
日販グループ(連結子会社25社)の連結売上高は前年比5・8%減の5457億6100万円。雑誌を中心とした店頭販売の落ち込み、廃業店の増加等により減収となった。
営業利益はコンテンツ事業、不動産事業を除くすべての事業で減益となり、同56・6%減の10億2600万円。経常利益は同57・5%減の10億8400万円となり、過去最も低い水準となった。特別損失4億円、赤字店舗の減損損失、リブロプラスにおける企業年金基金脱退による損失等特別損失7億円及び法人税、繰延税金資産の取崩し等10億円を加減すると、親会社株主に帰属する当期純損失は同129・0%減の2億900万円となった。
事業別では、取次事業が同6・3%減の5052億1700万円、営業損失が同178・0%減の3億3700万円となり、連結で初の赤字を計上した。
日販単体の売上高は同5・0%減の4390億4000万円、経常利益は同6・7%減の9億4800万円。減益の要因は本業である取次事業によるもの。物流拠点統廃合を中心に固定費の削減に努めたが、売上の減少が止まらず、一方で運賃単価値上げ負担が年度後半にかけて更に増加した結果、取次事業は営業赤字7億1400万円となり、赤字幅が拡大した。
商品別の売上高は、書籍が同4・8%減の2168億5800万円、雑誌が同8・5%減の1376億300万円、コミックスが同0・6%増の651億3700万円、開発品が同2・3%減の269億1500万円。書籍部門は減益となったが、物流拠点統廃合等による固定費及び返品荷造費の削減で営業赤字幅を圧縮。一方、雑誌部門は固定費削減を進めたが、大幅な減収に加え運賃単価値上げの影響で減益となり、単体利益悪化の主要因になっている。特にCVSルートの赤字は拡大が続き、喫緊の経営課題となっている。
商品別の返品率は、書籍が同0・6ポイント増の31・9%、雑誌が同0・3ポイント増の45・8%、コミックスが同3・8ポイント減の29・2%、開発品が同3・5ポイント減の41・5%、合計で同0・5ポイント減の37・1%。
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