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日販中間決算/売上高2825億9000万円、4・9%減/連結は減収増益
日時: 2017/12/22 13:56:50
情報元: 日書連

日本出版販売(日販)は11月22日、第70期中間決算(2017年4月1日〜9月30日)を発表。日販グループ(連結子会社27社)の連結売上高は、雑誌の減収が影響し前年比4・9%減の2825億9000万円と減収になったが、書店事業の不採算店舗の整理や、グループ全体で経費を抑制したことで、営業利益は同80・1%増の13億7100万円、経常利益は同53・3%増の14億7800万円。親会社株主に帰属する中間純利益は同7億4800万円増の8億2300万円と減収増益の決算になった。
事業別の売上高の内訳は卸売事業が同5・35%減の2653億9900万円、書店事業が同1・45%減の321億7400万円、不動産事業が同3・82%増の12億2300万円、その他事業が同9・76%減の26億5300万円。このうち卸売事業の内訳は、書籍が1124億4500万円(同1・16%減)、雑誌が1036億9900万円(同8・91%減)、AV(セル・レンタル)が204億1000万円(同16・46%減)、開発品・その他が288億4400万円(同1・64%増)。
卸売事業は、雑誌の不振が響いて減収減益になった。雑誌の大幅減は、コミックスが同12・7%減と大きく落ち込んだことが影響した。書籍は、一般書店ルートの売上はプラスになったが、アマゾンジャパンのバックオーダー発注停止の影響などによりネット書店の売上が減少して減収に。開発品・その他は、文具・雑貨やPBブランド商品等が伸張した。
書店事業は、新規出店4店舗、閉店11店舗。不採算店舗の撤退、文具・雑貨の売場拡大による粗利益の改善、本部機能統一によるコスト削減などで利益構造の改善に努めた結果、営業黒字に転換した。10月1日付でBSMをグループ書店を統括する中間持株会社と位置づけ、NICリテールズに社名変更し、店舗の収益力強化と本部機能の効率化を推進していく。
不動産事業は、既存物件の空室率の減少と、仙台市で取得した新規物件の賃貸開始により増収増益に。その他事業は、コンテンツ事業が順調に推移し売上・利益ともに伸張した。また、4月に保養所あしかりの運営を事業分割し、ASHIKARIとして設立。18年度に同社の運営するブックホテルを中心とした複合施設「箱根本箱」の開業を予定している。
日販単体の商品別返品率は、書籍が同0・5ポイント増の34・2%、雑誌が同2・3ポイント増の42・9%、開発品は同4・4ポイント増の43・3%で、合計では同1・6ポイント増の39・0%。
荷造運送費の動向については、今中間期の送品高に対する運賃構成比は1・37%と同0・06ポイント上昇。直近5事業年度で見ても、送品高が減少を続ける中、運賃構成比は右肩上がりになっており、卸売事業の収益を大きく圧迫する状況になっている。また、最低賃金が上昇したことで、送品荷造費は33億6600万円と同1億3300万円増加した。記者会見で安西浩和専務は「この5年間で取引輸送会社の出版輸送からの撤退は7社にのぼる。輸送会社が廃業して、当社の子会社が暫定的に配送している地区もある」と深い懸念を示した。
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