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書店粗利30%獲得へ改革訴え/第69回書店東北ブロック大会で藤原会長
日時: 2017/08/15 17:42:04
情報元: 日書連

第69回書店東北ブロック大会が7月6日、岩手県書店商業組合の設営により盛岡市つなぎ温泉の「ホテル紫苑」で開催され、東北6県の書店や出版社、取次など209名が出席。書店東北ブロック会の藤原直会長はあいさつで、日書連が取り組む書店の粗利30%獲得に言及し、「今の粗利では商売できないというのが共通認識。本屋としてあり続けるためには改革が必要だ」と述べた。
第1部は会員書店のみが参加して開催。岩手組合・小原玉義大会実行委員長の開会の辞に続き、藤原直会長(宮城県書店商業組合理事長)があいさつを行った。藤原会長は、書店東北ブロック会が発足した昭和24年頃について、当時は粗利の2割5分獲得運動を進めていたが、現在もそれは実現していないと指摘。「昭和23年には取引税として出版社・取次・書店に各1%が課せられていた。それを書店が払えないということで、多少の正味引下げが行われたというが、それでも粗利が18%程度とかなり厳しかった。現在、粗利は当時より改善されているが、物価や人件費も違い、今の粗利では商売できないというのが共通認識だと思う。日書連は粗利を30%までもっていくことを目指し努力している。我々本屋が本屋としてあり続けるためにはそれだけの改革が必要だろう。業界としてどうすべきか、この会を膝を突き合わせて話し合う場としたい」と述べた。
この後、藤原会長を議長に選任して議事を進行し、平成28年度会計報告・一般報告を原案通り承認。次年度大会の当番県を宮城県に決定した。
続いて、日書連・舩坂良雄会長が講話を行った。舩坂会長は書店の粗利拡大について、「全国各地の書店から、30%の粗利を取れるようにしてもらいたいとの声が出版社に投げかけられている。一部には賛同の考えを示す出版社もあるが、先頭を切ってやるところまではいかず、周りを見ている状況。それを実現させるためには、どういう提案を出していけるかも考えていきたい」と述べた。
また、自店での万引被害について言及し、「万引を防ぐことができればその分利幅が増える。いかに被害を少なくするか、まずは万引の防止を最大限に考えている」として、出版業界を挙げて防止対策に取り組む「万引防止出版対策本部」を立ち上げ、日書連を始め業界6団体が参加する方向で進めていること、これとは別に、渋谷の書店と警察・区が連携して万引を未然に防ぐ「渋谷プロジェクト」を発足することを説明した。
全員が参加して行った第2部では、当番県の岩手組合・玉山哲理事長があいさつ。玉山理事長は、「売れないのは書店のせいとか、取次の配本が悪いからと他のせいにして、自分の既得権益は守り業界を変えないで何とかしようというのはいかがなものか。東北の書店は東日本大震災の時に全国からお見舞いを頂戴し、感謝の気持ちを忘れずに、何とか販売力をつけなければいけないと頑張っている」と述べ、出版業界の改革を訴えた。続いて、出版社、取次、関連会社など出席各社がステージに上がって自己紹介を行った。最後に次年度当番県の宮城組合・藤原理事長が、大会を来年7月5日に秋保温泉で開催すると発表した。
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