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オタク系コミックを強化/講談社、一迅社を完全子会社化
日時: 2016/11/09 18:09:55
情報元: 日書連

講談社は10月14日、一迅社の全株式を取得し完全子会社化すると発表した。
一迅社は1992年設立。累計210万部を超える『ヲタクに恋は難しい』や『ゆるゆり』などのコミック作品、漫画月刊誌「月刊コミックゼロサム」「月刊コミックREX」「まんが4コマぱれっと」「gateau」、隔月刊誌「コミック百合姫」「Febri」、ライトノベルスを刊行する、オタク系コンテンツに強みを持つ中堅出版社。第25期(15年8月〜16年7月)は売上高44億4238万円を見込んでいる。
14日、都内で開いた共同記者会見で、講談社の野間省伸社長は「両社が強みを生かし、シナジー効果を発揮して、コミック市場の活性化に寄与していくものと確信している」と述べ、「一迅社はオタク系コンテンツを得意として、読者から熱い支持を得ている。講談社は様々なジャンルのコミックを刊行しているが、一迅社を子会社化することで、コンテンツのさらなる拡充を図ることが可能になる。オタク系と言ってもニッチではない。マーケットとして確立されている。一迅社の力を借りて強化したい」と展望を語った。
また、一迅社が人的リソース不足などの理由から機動的な展開ができずにいた電子書籍や海外事業で、講談社のインフラを活用することによって課題を解決することができると強調。「講談社は何年もかけて電子や海外のインフラを整備し、ノウハウも蓄積してきた。一迅社にどんどん使ってもらい、世界に飛び出てほしい」と期待を示した。
一迅社の原田修会長は「これから業績が伸びそうな分野は電子と海外。ビジネスチャンスが広がっているが、中小出版社にとってはオーバーフロー。本格的な事業として考えると一迅社の規模では難しい。大きなビジネスインフラのあるところに協業を申し込むしかないというのが結論。講談社であればいい補完関係に入れるのではないかと資本提携を申し込んだ」と述べた。
一迅社は編集の独自性を保持し、雑誌などの発行を継続するとしている。
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