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連結で減収減益の決算/雑誌売上、32年ぶりに書籍下回る/日販
日時: 2016/06/29 14:28:50
情報元: 書店組合

日販は6月1日、第68期(15年4月1日〜16年3月31日)の決算概況を発表。
連結売上高は前年比3・2%減、当期純利益は同18・7%減と、減収減益の決算となった。
子会社25社との連結売上高は同3・2%減の6398億9300万円。雑誌の減収とグループ書店の不採算店舗撤退が響いた。
出版共同流通を中心とした物流子会社のコスト削減、システム子会社のITコスト削減によって、販売費及び一般管理費は同3・0%減となり、売上総利益率の同2・7%以上に削減することができた。この結果、営業利益は同5・8%増の27億3800万円と増益になった。しかし、急激な円高の進行で子会社ダルトンで為替差損が発生し、経常利益は同9・2%減の32億9100万円。リブロ池袋本店の撤退などグループ書店の事業再編に関わる費用で特別損失9億9200万円を計上し、当期純利益は同18・7%減の1億9600万円となった。
過去10年で営業利益は2番目に悪く、経常利益は最も低い水準となった。損益では、雑誌の売上減少と、輸配送環境の悪化が特にCVSルートへ大きなマイナスインパクトを与えた。
商品別では、雑誌は年間を通じて落ち込みが続いた。定期誌・ムックのPOS実績は同6・4%減となり、特に女性誌はファッション誌が同11・8%減、ティーンズ誌が同7・7%減と大幅に落ち込んだ。休刊が相次いだことによる販売部数の減少も、売上減少の大きな要因となっている。
書籍はPOS実績が同0・6%減とほぼ前年並み。文芸書は『火花』(文藝春秋)など話題作が多く、同5・3%増と伸長した。小学校の教科書改訂があった学参は同6・4%増、高定価の商品が好調だった児童書は同5・8%増と好調だった。
コミックスは『NARUTO』『黒子のバスケ』(ともに集英社)など大型銘柄の完結で、POS実績は同3・9%減となった。
開発商品は文具パッケージ「Sta×2」導入店の増加や新規大型検定の受注増、出資映画「進撃の巨人」などのヒットで同0・7%増となった。
単体は、売上高が同4・6%減の5238億2900万円、営業利益は同14・7%減の16億4100万円、経常利益は同8・4%減の23億1300万円、当期純利益は同22・4%増の10億4500万円の減収増益となった。
商品売上高は、書籍が同0・5%増の2475億9700万円、雑誌が同9・9%減の2434億5400万円、開発商品が同0・7%増の327億7700万円。雑誌の売上が書籍を下回ったのは32年ぶり。
返品率は、書籍が同0・6ポイント減の30・7%、雑誌が2・1ポイント増の40・9%、開発商品が5・0ポイント増の34・6%で、合計で同0・9ポイント増の36・1%となった。
取引先書店の増床面積は3万387坪。このうち太洋社からの切り替えは6924坪(約200店)。日販は「書籍の売上は安定し、底打ち感が出てきた。一方、雑誌の回復は見込めない状況。第3商材で稼ぐとともに、本業の立て直しにも力を入れ、店頭活性化を図る」としている。
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