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啓発的な万引対策が必要/万引に関する全国青少年意識調査/万防機構
日時: 2014/10/04 11:21:30
情報元: 日書連

全国万引犯罪防止機構は、第9回「万引に関する全国青少年意識調査」の分析報告書を発表した。この調査は、文部科学省、警察庁の協力のもと、全国の小学・中学・高校生約1万2千人から回答を得たもの。同報告書の内容を紹介する。

この調査は「全国学校総覧2014年版」を台帳として、全国の小学校・中学校・高校の中から各47校、合計141校を無差別に抽出し、各学校の教室単位に調査票を配布して行った。対象者は小学5年生、中学2年生、高校2年生。調査期間は平成25年12月から平成26年2月末まで、総回収数は1万1870票。
万引に対する自分の考えを聞くと、「絶対にやってはいけないこと」と答えた者の割合は、小96・6%、中91・8%、高92・1%だった。「やってはいけないことだが、さほど問題ではない」が小3・2%、中6・7%、高6・3%、「よくあることで、何も問題はない」が小0・1%、中0・3%、高0・3%。
万引をしてはいけない理由としてもっともだと思うものを1つ選択する質問は、「法律を破ってはいけないから」が小中高いずれもトップ。小学生では「保護者が悲しむから」が2番目に多いが、この回答は中高になるにつれて下がる傾向にある。一方、「みんながやると商売が成り立たなくなるから」は学年が上がると高くなり、中学では3番目、高校では2番目に高い回答となっている。
子どもが万引をする理由は何だと思うか、1つ選択する問いでは、小中高で最も多かったのが「その品物が欲しいから」。小中で2番目に多い理由は「やらないと仲間外れにされるから」で、高校では3番目。高校で2番目に多かったのは「どきどきして楽しいから」で、小中では3番目だった。
この1年間で万引に誘われた経験のある生徒は、小2・2%、中2・4%、高1・8%。万引に誘われた時の対処については、小学生は「友達の誘いをはっきり断り、万引は犯罪であると注意する」が7割を超えるが、中学生は約4割、高校生は約3割に留まっており、中高生では、誘いには乗らないが、友達に忠告はしないという傾向が強くなっている。
万引した子どもを捕まえた店は警察に通報すべきだと思うかの質問(中高生のみ)は、「そう思う」が7割強、「そう思わない」は約3割という結果になった。「そう思わない」と答えた者に理由を1つ選択してもらうと、「犯罪者として扱うのは子どもの将来を奪うことになるから」が6割近くに達した。
万引をした子どもやその保護者はどのような償いをすべきかを1つ選択する問い(中高生のみ)で最も多かったのは「買い取るだけでなく、迷惑料を払うべき」(中39・0%、高32・1%)。「買い取ればよい」は中17・3%、高20・5%、「社会貢献活動をするべき」は中17・4%、高16・9%となった。
子どもが万引をしなくなるためのもっとも効果的な対策を1つ選ぶ質問に対しては、小学生は「学校の授業で取り上げる」、中高生は「万引しにくい店づくりをする」が最も多くなった(図)。この質問の選択肢について、「店づくり」「万引商品の確認」を「直接的な予防措置」、「しつけ」「授業で取り上げる」「テレビ番組」を「啓発的な対策」、「取り締まり」「厳罰化」「店が罰金をとる」を「懲罰的な対策」と分類した場合、「啓発的な対策」が小中高を通じて45%前後と最も割合が高く、「懲罰的な対策」、「直接的な予防措置」の順となるという共通の傾向が見られた。個別では、「店づくり」が重要と考える者の割合が高いが、より一般的な傾向を見た場合、店舗側の対応に比べ、教育的な対応に高い効果を期待する者が多いことがうかがわれる。
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