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【 講談社、5年ぶり営業黒字に 】
日時: 2012/03/02 17:00:40
情報元: 日書連

講談社は2月20日に定期株主総会を行い、総会終了後、報道関係者に平成23年度決算概況並びに役員人事を報告した。

 講談社の第73期決算(平成22年12月1日〜23年11月30日)は売上高が1219億2900万円で、前年比99・7%。

内訳は雑誌748億3400万円(同95・0%)、書籍279億2600万円(同105・0%)、広告収入81億5600万円(同88・3%)、その他84億1500万円(同108・7%)、不動産収入25億9600万円。

雑誌の内訳は、雑誌207億5500万円(同96・1%)、コミック540億7800万円(同94・6%)。

前期まで営業外収益に計上していた不動産賃貸収入を、同期から売上高に計上した。

 利益面では、雑誌編成の見直しや調達コストの削減により製造原価が低下したことと、コミックの単行本など原価率の低い製品の売上構成比が上がったことなどで売上原価率が低下。

また編集費、宣伝費を中心に大幅な経費削減を進めた結果、営業利益は2億円と5年ぶりに利益計上した。

税引前当期純利益は7億2500万円、当期純利益は1億6400万円となった。

 同日会見した野間省伸社長は、デジタル事業について言及し、6月から著者の許諾が得られたすべての新刊について、紙の刊行と同時にデジタル配信できる態勢を整えると述べた。

ただし実際に同時刊行するタイトル数や価格設定等は未定だとして、「同時刊行が著者や我々にとって利益最大化につながるのかはまだわからない。

マーケティングプランを考えながらやっていくので、ものによって発売時期は同時かもしれないし、遅れるかもしれない。

試行錯誤しながら適切なデジタル事業の姿を追及していきたい」と述べた。

 決算概況を説明した金丸徳雄取締役は、今期の課題について「収益体質をより強固なものにすることを最優先課題に位置付ける。

売上高の確保、売上率の改善を図るとともに、長期的な安定成長を実現するために、伝統を守りつつ新しい分野を創造する、新たな時代の出版社像を引き続き模索していく」と述べたほか、国内出版市場でのシェア拡大と、デジタル化、国際化の推進を中期テーマに掲げた。

 役員人事は、山根隆常務が専務、清水保雅、鈴木哲両取締役が常務に昇任。

新取締役に渡瀬昌彦氏が就任した。

キングレコード社長の重村博文氏は非常勤取締役に新任。

横山至孝氏は退任し顧問に就任した。
メンテ

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