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【 東野圭吾さんら7人、自炊代行業者を提訴 】
日時: 2012/01/16 16:38:35
情報元: 日書連

作家や漫画家ら7人が12月20日、書籍を裁断してスキャナーで取り込み電子化するスキャン事業者2社に対し、行為の差し止めを求める訴えを東京地方裁判所に提起した。

 提訴したのは、浅田次郎、大沢在昌、永井豪、林真理子、東野圭吾、弘兼憲史、武論尊の各氏。
被告は(有)愛宕(神奈川県川崎市)とスキャン×BANK(株)(東京都新宿区)。

 20日午後2時より新宿区の日本出版クラブ会館で、永井豪氏を除く原告の6氏と弁護団7人が出席して記者会見が行われた。

弁護団は、不特定多数の利用者から注文を受け、不特定多数の書籍をスキャンして電子ファイルを作成し納品する事業を著作者の許諾なく行うことは、著作権法の複製権侵害に当たると指摘。

2011年9月に作家や漫画家122人と出版社7社がスキャン代行業者約百社に対し、電子ファイルの作成を許諾しない旨を伝える質問状を送付しており、被告2社は「今後も原告らの作品に注文があった場合は電子ファイル化を行う」と回答していることから、提訴に踏み切ったと説明した。
 原告の浅田氏は「作品は血を分けた子どもも同然。

それが見ず知らずの人にいいようにされ、あずかり知らぬところで利益を生んでいることに憤りを感じる。

バラバラにされた本は正視に堪えず、業者に正当な論理は感じられない。

この1年で業者の数が大変増えていることを危惧し、いま提訴しなければならないと考えた」と訴訟に至った経緯を説明。

 大沢氏は「電子書籍は出版業界をプラスの方向に転ずるきっかけになるはずだと考える。

海賊版の電子書籍が大量に流通するきっかけになりかねないスキャン代行事業を看過するわけにはいかない。

悪貨が良貨を駆逐するようなことがないよう、きちんとした形で電子書籍事業が進められるようになってほしい」と危機感を表明。

また、東野氏は「一冊の本は、いろいろな人が努力をして作られている。

何かうまい商売を思いついたというように思ってほしくない。

違法な商売がまかり通ることで、漫画家や小説家という職業が近い将来成立しなくなる恐れもある」と指摘した。
メンテ

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