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【 出版販売金額は3・1%減 】
日時: 2011/07/04 08:14:44
情報元: 日書連

 出版科学研究所が発行した『2011出版指標年報』によると、2010年の取次ルートを経由した出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は前年比3・1%減の1兆8748億円となり、6年連続で前年を下回った。

内訳は、書籍が3・3%減の8213億円、雑誌が3・0%減の1兆535億円。

書籍は4年連続の前年割れ、雑誌は13年連続のマイナスとなった。

 書籍の推定販売金額は8213億円で、前年比3・3%減。

売れる本は突出して売れるが、それ以外は低調という二極化現象が顕著だった。

一方、推定販売部数は2・2%減の7億233万冊で、7億冊台にかろうじて踏みとどまった。

値段の安い本の需要が依然として強く、全体の平均価格は下落する一方になっている。

 金額返品率は前年比1・6ポイント減の39・0%と大幅に改善した。

これは主要取次が返品減少対策として、新刊配本の大幅な引き締めを行ったため。

 新刊点数は7万4714点、前年比4・9%減少した。

流通ルート別の内訳は、取次仕入窓口経由の新刊が5・1%減の5万7804点。

一方、注文扱いの新刊は4・1%減の1万6910点といずれも大幅減となった。

取次仕入窓口経由の新刊が前年を下回ったのは5年ぶりで、長引く不況で出版社の体力が低下したのと、取次の送品抑制策で新刊配本部数が絞られたため、採算上無駄な新刊を作れなくなってきたのが要因とみられる。

新刊推定発行部数は4・5%減の3億6876万冊。

新刊平均価格は1126円で1・7%ダウンした。

 ミリオンセラーは『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(ダイヤモンド社)を筆頭に5点と前年より3点増。

しかし売れる本は突出して売れるものの、それ以外の本は低調という現象が顕著だった。

ジャンル別動向を見ると、文芸書は『1Q84』以外に目立つものが少なく振るわなかった。

文庫本は映像化作品が下支えしたが、既刊本が伸び悩んだ。

ビジネス書は『もしドラ』の影響でドラッカー関連本が売れるなど好調。

教養新書は売れ筋商品不足で市場が縮小傾向になっている。

 10年売行き良好書単行本ベスト10は以下の通り。

 (1)もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら/ダイヤモンド社(2)1Q84(BOOK3)/新潮社(3)伝える力/PHP研究所(4)新・人間革命(21・22)/聖教新聞社(5)創造の法/幸福の科学出版(6)くじけないで/飛鳥新社(7)超訳 ニーチェの言葉/ディスカヴァー・トゥエンティワン(8)これからの「正義」の話をしよう/早川書房(9)マネジメント エッセンシャル版/ダイヤモンド社(10)知らないと恥をかく世界の大問題/角川SSコミュニケーションズ発行・角川グループパブリッシング発売  雑誌の推定販売金額は1兆535億円、前年比3・0%減。

内訳は、月刊誌が2・4%減の8242億円、週刊誌が5・2%減の2293億円。

集英社の『週刊少年ジャンプ』や宝島社の女性誌など巨大部数で爆発的に売れたものと、そうでないものの落差が極端となる現象が見られた。

 推定販売部数は4・3%減の21億7222万冊で、過去最大のマイナスだった前年(6・9%減)からは持ち直した。

内訳は月刊誌が3・7%減の14億6094万冊、週刊誌が5・6%減の7億1128万冊。

金額返品率は35・5%で前年比0・7ポイント減。

取次の大幅な送品抑制効果で、返品率改善は2年連続となった。

 年間の創復刊点数は前年より25点減の110点で、過去40年で最も少なくなった。

創刊誌の部数上位銘柄の多くは分冊百科が占め、前年と同数の29点が創刊した。

主な創刊誌は『GLOW』『リンネル』(宝島社)、『ガクマンプラス』(小学館)、『EDGE STYLE』(双葉社)、『歴史人』(ベストセラーズ)など。

 一方、休廃刊点数は27点増の216点で、07年に次ぐ過去2番目の多さ。

『小学五年生』『小学六年生』『PINKY』『sabra』『スイングジャーナル』『NAVI』など各ジャンルの有名誌が数多く休刊したほか、東京三世社など倒産出版社が数社あったことも影響した。
メンテ

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