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でるべんの会、10周年でイベント
日時: 2009/11/20 12:02:50
情報元: 新文化

でるべんの会は10月31日、東京・神保町の日本教育会館喜山倶楽部で、「出版関係勉強会でるべんの会10周年記念イベント」を行い、約50人が参集した。

第1部では今井書店(鳥取・米子)の永井伸和会長と、文化通信社の星野渉取締役が「『本の学校』が目指すもの」と題して対談。

永井氏は、今井書店が運営する本の学校や、同社が1995年に同・大山で開始し、後にでるべんの会設立の契機ともなった「本の学校」大山緑陰シンポジウムの取り組みなどを紹介。

星野氏は、「シンポジウムでは大手出版社社長から若手書店員までが車座になり、地位や所属の別なく語り合った。東京・千駄木の往来堂書店や『本とコンピュータ』も、そこでの出会いから生まれた。人と人との出会いから新しい何かが生まれてくる。そのためにも“場”の持つ意味は大きい」。

永井氏は、「中央集権的にあらゆる“場”や“機会”が東京に集中する業界の在り方に疑問を感じる。人間もそうだが、利便性ばかり追求すると基礎体力が衰える。やはり全身を使わなければ。国もまた同様。北は北海道から南は沖縄まで、各地域の多様性を活かすべき」と語った。

第2部ではでるべんの会の松尾陽一郎初代会長と梶原治樹現会長が「『でるべんの会』10年の歩みを振り返る」と題して対談。

梶原氏は、「出版不況といわれるが、不況というからには回復の余地がなければおかしい。実際は出版不況ではなく、これまで出版が担ってきた機能が拡散しているのでは」と指摘。

一方の松尾氏は、『年々、出版市場が縮小するなか、定年までこの業界で働けるのかという不安を感じる。自分を含め、会員の生存確率を高めるためにも活動を続けていきたい」と語った。

その後の懇親会では、このほど「本の学校」が高橋松之助賞、菊池寛賞、読進協特別賞のトリプル受賞となったことを祝い、永井氏に同会から花束を贈呈した。また、永井氏も10周年を祝って梶原会長に花束を贈呈。出席者の拍手を浴びた。
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