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【 同日精算実現まで粘り強く交渉 】 日書連
日時: 2009/11/03 16:49:08
情報元: 日書連


 日書連は10月22日午後1時から横浜市西区のグランド・インターコンチネンタルホテルで神奈川組合設営による移動理事会を開催した。

送品・返品同日精算問題ではトーハン、日販からの回答が報告され、同日精算の実現まで、なお粘り強く働きかけていく方針を確認した。

 〔取引改善〕 日書連は9月16日に日販、17日にトーハンを訪問して「送・返品同日精算」問題の進捗状況を報告するよう求めていたが、9月30日に日販橋専務、10月5日にトーハン谷川取締役が日書連を訪れ、文書回答があったことが報告された。

 これによると、日販は2005年より書店返品入帳を順次繰り下げ、本年9月の締め日は24日(木)着荷分まで入帳処理した、今後も入帳処理繰り下げをさらに進める検討を継続していく――という回答。

 トーハンは平成19年より一定の返品処理ルールに則って返品業務を行っている書店には入帳締日を期末5営業日前処理分までに変更した、これ以上の繰り下げは経営にも大きく影響を及ぼすもので、慎重に検討する、請求締日と返品締日を合わせるには出版社の請求締日も連動させる必要があり、販売会社内だけで対処はむずかしい――と回答した。

 この回答に対し、柴崎委員長は「日販は口頭で来年3月までにもう少し改善できる可能性を示している。

トーハンは(これ以上の)改善は出版社とも相談してと言っている。

大阪屋、栗田は3月31日まで入帳しており、年度末までに1日でも短くできるよう詰めていきたい」と述べた。

 面屋副会長からは大阪理事会で出た意見として、事態打開のため、公取委に相談するべきだという発言があったことが紹介された。

 今年2月、トーハンから栗田に帳合を変更した梅木常任委員からは7―9月の栗田の返品入帳額と、トーハンの返品入帳額を想定した対比が発表された。

7月16日から31日の半期請求で栗田の返品入帳額は163万7千円。

これをトーハンにあてはめると、トーハンは24日までしか返品入帳しないため25日から31日までの未入帳額は94万3千円となる。

8月はこの差額が69万1千円、9月は217万円という計算結果が示された。

 今後の運動の進め方について、大橋会長は「取次が出版社の協力がなければできないというのは筋違いだが、裁判に訴えろでは解決しないのではないか。

開きは5日で、毎年少しずつ短くするしかない」と述べ、柴崎委員長も「取次もノーとは言っていない。

一気にやるのではなく、時間をかけて取り組みたい」と方針を述べた。

 〔情報化推進〕 コミックスの店頭立ち読みサイト「ためほんくん」は福島・高島書房、東京・ブックスページワン、同・大盛堂、大阪・ブックス深田、広島・廣文館、今井書店グループの11店に端末を置き、11月3日から小学館、集英社、講談社、白泉社、秋田書店のコミック150点を紹介していくことになった。

 画面の表紙に触れると第1巻1話分(26〜30頁)が読めるほか、書店人のおすすめ本、出版社の宣伝も流れる。

井門委員長は「5社以外の出版社も関心を寄せている。

店頭での販売効果を確認していきたい」と意欲を示した。

 雑誌ネット配信、書籍デジタル化などの最近の動きについて、井門委員長は「グーグルが世界中の書籍をアーカイブ化しようと、アメリカの図書館の蔵書をすべてスキャンしてデータ化した。

アメリカ国内と公立図書館では無料で読める。

日本では流対協が拒否したが、大勢は静観する流れ。

一方、国立国会図書館長尾館長は国立国会図書館のデータをデジタル化する意向だ。

デジタル化で著作権者の権利保護の問題もあるし、コンテンツと書店店頭をどう結び付けるかが課題になる」と指摘。

さらに「ある論文だけ欲しいというコンテンツのバラ売りはブックオンデマンドを利用して可能になるのでは」という見通しを述べた。
メンテ

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