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【 大橋会長の2期目始動 】日書連
日時: 2009/08/08 12:03:12
情報元: 日書連

 6月25日の日書連定時総会で大橋信夫会長の2期目がスタートしたが、7月23日に開かれた日書連理事会では常設委員会、特別委員会に続いて外部団体派遣委員を承認。

リフレッシュした顔ぶれで新年度の取り組みを開始した。

流通改善委員会の報告では、藤原直委員長が書店マージン35%を確保する中堅版元8社の新しい責任販売制「35ブックス」について、「広がりを期待している」と述べ、全国書店に支援を求めた。

 〔流通改善〕 筑摩書房など中堅出版社8社が発表した「35ブックス」は書店の粗利35%、返品時は35%の歩安入帳という仕組み。

 藤原委員長は「2年前、日書連が新責任販売制を企画した時は取次出し正味を変えられなかったため、あとから補てんする形をとった。

今回、ようやく取次が(正味変更を)のんだ。

対象商品は復刊を中心に、既刊、新刊もあり、既刊については発行年を明記している。

こういう形をきっかけに責任販売制が広がっていくことを期待している。

各県組合で宣伝をお願いしたい」と述べた。

 雑誌発売日問題では日書連の要望として、1.北海道、九州地区の3日目発売を2日目発売にしてほしい、2.沖縄の週刊誌空輸の早期実現、3.年末年始、ゴールデンウイークの合併号を廃止し、レギュラー発売を励行してほしいなど、7項目を発売日本部委員会に求める。

 また、出版社が年間購読割引、特別景品など、書店ではできないサービスで読者から直接購読しているケースが増えているという声があるため、問題のある雑誌を調査することになり、8月末までに日書連に提出してもらうことになった。

 〔情報化推進〕 7月9日に開かれた全国情報化推進委員長会議の概要について、井門委員長から報告があった。

 このうち久留米市が緊急雇用事業として教育センターの蔵書を日書連マークに切り替えるため2名、4カ月の雇用があったことについて、福岡組合山口理事長が報告。

「来年度以降、久留米市の発注は地元書店に回ってくることが期待される」と述べ、地域の情報にアンテナを張る重要性を強調した。

 開発中の「選書ツール」について井門委員長は「学年別貸出回数やランキング等の情報のほか、在庫情報をデータベースに反映していく」とし、12月までには提供できる見通しとした。

 大分組合大隈理事長からは、中央会の補助金で書店の在庫をネット上で販売する仕組みを構築すると報告があり、井門委員長も全国の書店で利用できるのではないかと期待を述べた。

 〔再販研究〕 アマゾン・ジャパンが早稲田大学の学生、教職員、卒業生に対して3%から8%の割引を行っている問題で、大橋会長は改めて「生協の組合員に対する割引とは一緒にできない。

卒業生まで対象にするのもおかしい」と問題点を指摘。

 山口理事は「民事保全法に基づいて現状を打破できないか。

差し止めを求める仮処分申請の道も開けるのではないか」と問題提起した。

 また、ソフトバンクのホワイト学割については当初8月31日までのキャンペーンとしており、その後の経過を確認してほしいという声が上がった。

 近畿ブロック会では7月11日、昭和図書大竹靖夫氏を招いてアマゾン問題を中心に勉強会を開いたことが面屋、戸和両理事から報告された。

当日の模様は「大阪書店組合だより」8月1日号に掲載される。

 このほか神奈川組合からはショッパーズプラザ横須賀が7月18日から22日までの5日間、1割引のクーポンをつけたチラシを配布。

テナントで入っている書店も1000円の本で100円値引きしたケースが報告された。

 〔取引改善〕 取引用語の統一問題で、7月16日に取協と2度目の話し合いがもたれたことを柴ア委員長が報告した。

 この中で委員長は1.新刊委託であれば書店―取次間は105日に対し、取次―版元間は120日と委託日数が違うことに問題がある、2.ムック、コミックは返品期限なしなのにL表示で逆送される場合がある、3.そもそも、委託でも買切りでも正味が同じなのはおかしい――などと問題点を指摘した。

 〔物流研究〕 6月4日、24日、7月7日と相次いで委員会を開催。

この間、出版社、取次と数回にわたり意見交換を行ったことを戸和委員長が報告した。

 委員会の研究課題は1.取次各社のウェブ特急便の特別正味が下げられないか、2.取次で日書連独自のウェブ特急便が構築できないか、3.出版社直の物流ルートが構築できないか――という3点。

 出版社との意見交換について山本委員は「大手出版社は自社倉庫から直接出荷はむずかしいという反応だったが、中堅出版社は興味を示した」と報告。

鶴谷委員は「集金はカード会社決済も考えられる」としたほか岩永委員は「(入荷の早い)アマゾンに対抗して取次の特別便を利用すれば、今度は85掛という高正味が書店経営を圧迫する」と問題点を指摘した。

 〔理事交替〕 ▽新理事=五藤栄一郎(高知市・冨士書房) ▽退任理事=本久善一(高知市・片桐開成社)
メンテ

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