出版・書店 業界 NEWS BOOKSルーエ


出版書店 業界NEWS TOPへ > 記事閲覧           新文化 定期購読 受付  

【 出版販売金額3・2%減 】日書連
日時: 2009/05/20 11:17:45
情報元: 日書連 

出版科学研究所が発行した『2009出版指標年報』によると、2008年の取次ルートを経由した出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は前年比3・2%減の2兆177億円となり、4年連続で前年を下回った。

内訳は、書籍が1・6%減の8878億円、雑誌が4・5%減の1兆1299億円で、書籍の8千億円台は1990年以来のこと。

雑誌は過去最大の下げ幅を記録し、前年割れは11年連続となった。

〔ミリオン7点も販売額伸び悩む/書籍〕 書籍の推定販売金額は8878億円で、前年比1・6%減。

『ハリー・ポッター』最終巻が刊行されたにもかかわらず、前年を約148億円下回る結果となった。

一方、推定販売部数は7億5126万冊で0・6%減。

これは、教養新書・ケータイ小説などのブームが沈静化したものの、比較的廉価な単行本や文庫本が好調だったため、金額に比べ部数の落ち込みが少なかったとみられる。

 金額返品率は前年比0・7ポイント増の40・1%。

1953年に統計を開始して以来、2番目に高い数値となった。

創刊による大量送品の結果、大量の返品も発生してしまった文庫の影響が大きいと考えられる。

 新刊点数は7万6322点、前年比1・4%減で2年連続の減少となったが、これは自費出版の減少によるもので、商業出版では活発な新刊活動が行なわれた。

流通ルート別の内訳は、取次仕入窓口経由の新刊が2・2%増の5万9572点。

一方、注文扱いの新刊は、自費出版大手の新風舎が破産したことが影響し、12・4%減の1万6750点だった。

 新刊推定発行部数は1・6%減の3億9739万冊。

新刊1点当たりの発行部数は5200冊で、05年からほぼ横ばいで推移している。

新刊平均価格は1170円と18円(1・6%)上昇した。

 ミリオンセラーは累計185万部の『ハリー・ポッターと死の秘宝』を筆頭に7点で、前年より3点増。

しかしトップセラーの次に位置するミドルクラスの売行きが鈍く、販売金額は伸び悩んだ。

ジャンル別動向を見ると、単行本の新刊点数はほぼ前年並みだが、推定発行部数はハリポタの影響で3・1%増加した。

文庫は創刊も多く、新刊点数は4・4%増。

07年も前年比4・9%増えており、店頭での販売実績が上がった反面、返品率も急上昇した。

新書も、08年初頭まで続いたブームにより、新刊点数は6・0%の大幅増。

 08年単行本ベスト10は以下の通り。

 1.ハリー・ポッターと死の秘宝/静山社 2.夢をかなえるゾウ/飛鳥新社 3.B型自分の説明書/文芸社 4.O型自分の説明書/文芸社 5.A型自分の説明書/文芸社 6.ホームレス中学生/ワニブックス 7.女性の品格/PHP研究所 8.親の品格/PHP研究所 9.AB型自分の説明書/文芸社 10.脳を活かす勉強法/PHP研究所〔月刊誌・週刊誌とも4・5%減/雑誌〕 雑誌の推定販売金額は1兆1299億円、前年比4・5%減と過去最大の落ち込みを記録し、11年連続マイナスとなった。

内訳は、月刊誌が8722億円、週刊誌が2577億円でともに4・5%減。

売行きが目立った雑誌は、女性誌を中心としたグッズ付録の号、分冊百科など単発企画が中心で、販売の核となる雑誌を欠いた。

 推定販売部数は6・7%減の24億3872万冊だった。

内訳は月刊誌が6・5%減の16億1141万冊、週刊誌が7・0%減の8億2731万冊。

販売金額が販売部数ほど落ち込まなかったのは、用紙価格上昇による値上げや、付録付き雑誌の増加で平均価格が2・4%アップしたため。

金額返品率は月刊誌が1・3ポイント上昇して38・0%、週刊誌が1・6ポイント上昇して31・1%だった。

 年間の創復刊点数は177点で前年より5点減少。

主な創刊誌は『月刊少年ライバル』(講談社)、『ELLE girl』(アシェット婦人画報社)、『HERS』(光文社)、『プラチナサライ』(小学館)など。

分冊百科は23点が創刊され、デアゴスティーニ・ジャパンの『週刊歴史のミステリー』『隔週刊地球の鉱物コレクション』など重版が複数回かかるヒット商品も出た。

 一方、休廃刊点数は32点減の186点で、前年に次ぐ過去2番目の多さ。

女性誌『主婦の友』、コミック誌『ヤングサンデー』、男性誌『月刊プレイボーイ』、総合誌『論座』『ダカーポ』など、歴史ある有名雑誌の休刊が続出した。

 部門別動向を見ると、児童は少子化とともに、人気キャラクター不足や直販誌の減少により低落。

スポーツは、北京五輪の開催が売上げに結び付かなかった。

コミックスはヒット作に欠け、新刊・既刊とも大きく落ち込んだ。




メンテ

Page: 1 |