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【生活実用書『夫婦で楽しむ!親子で楽しむ! デジカメ】日書連
日時: 2009/04/15 11:48:15
情報元: 日書連 

 日本列島は今まさに桜前線が北上中だが、桜が散った後にも楽しめるのが、引き続き自然の息吹きであろう。

柳生真吾著『夫婦で楽しむ!親子で楽しむ! デジカメ散策のすすめ』(アスキー新書101 933円)は、デジカメにチャレンジしようとしている初心者にぴったりの楽しみ方ガイドである。

 著者は園芸家。

NHK「趣味の園芸」キャスターでもあった。

俳優、柳生博氏の子息である。

長野県は八ヶ岳山麓に住んでいるのだから、自然は身近にある。

それを自分の眼でしっかり見るのが一番だと思っていたのだが、ひょんなことから手にしたカメラで撮ってみた方がより心に焼きついていることを発見する。

 冒頭は群生するカタクリの花。

接写というマクロの世界が広がる。

画像の処理、露出の補正、絞り、シャッタースピードなどのそれぞれの失敗や工夫が詳しく語られる。

もともとのカメラ嫌いがカメラにはまっていくのだから、初めての人には断然わかりやすく、共感がいっぱいだろう。

春夏秋冬の各章では、花や樹木ばかりでなく、蝶やトンボも登場するし、新緑の林、冬の弱い陽光に光るつららの造形など、美しいカラー写真がふんだんに掲載されている。

全ての写真に露光量などデジカメ撮影のデータがつく。

カメラを持って、すぐにも自然の中に出かけたくなる。

 田中淳夫著『森を歩く 森林セラピーへのいざない』(角川SSC新書66 1050円)もカラー版。

樹木や自然の風景写真がたくさんある。

森に入ると人は心が和み、癒される。

森林浴という言葉では言い表せない森の力の研究はまだ始まったばかりなのである。

植物が傷すると、周囲の菌が死滅する現象があって、植物が放出する揮発性の物質が発見された。

フィトンチッドというその物質は、人にリフレッシュ効果をもたらす。

しかも、ストレスを遠ざけるという森林療法も行われるようになってきた。

 本書では長野県飯山市から沖縄県国頭郡国頭村まで10 カ所、森林セラピー基地が報告されている。

全国に森林セラピー基地は31カ所、セラピーロードが4カ所あるが、ほかにも森林療法を行う地域や団体がたくさんあるという。

いずれも市区町村役場の企画課や観光課などで、巻末にその一覧と連絡先、URLなどのデータが載っている。

一番多いのは長野県だが、ともかく近くの森に行ってみるだけでもよさそうである。

    (遊友出版・斎藤一郎)
メンテ

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