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【 振興法もとに読書運動展開 】 日書連
日時: 2006/05/29 08:20
情報元: 日書連


 わが国出版文化の昂揚を図り、業界の発展を期す第45回全出版人大会が5月9日午後3時よりホテルニューオータニで開かれた。

大会では「文字・活字文化振興法のもとで読書推進運動を展開していこう」という大会声明を採択するとともに、長寿者、永年勤続者の表彰を行った。

 式典では野間佐和子大会会長あいさつに続いて、岡本健大会委員長(ひかりのくに)が大会声明を朗読。

拍手でこれを採択した。

 続いて小坂憲次文部科学大臣、黒澤隆雄国立国会図書館長が祝辞。

朝倉邦造大会副会長から長寿者40名を代表して雨谷正己氏(協和出版販売)に寿詞と記念品が、相賀昌宏大会副会長から永年勤続446名を代表して椎野昭氏(税務経理協会)に表彰状と記念品が手渡された。

 朝倉氏は「出版人大会はこれまで1335人に長寿のお祝いをしてきた。

この間、出版界は平坦な道ではなかったはず」と激励の言葉。

長寿者を代表して謝辞を述べた雨谷氏は「昭和2ケタは戦後の食糧難と復興期に少年時代を過ごし、忍耐力を学んだ。

業界に身を置いて48年になる。

流通は多様化したが、声を大にして町の本屋を守っていきたい」とあいさつした。

〔大会声明〕 人類は今日まで、世界各地において様々な文化を築き上げてきました。

日本でも同様に、それぞれの地方で豊かなことばを用いて多様な伝統技術や芸術を生み、生活を潤してきました。

わが先人たちはそれを文字に刻み出版することで、他の地域や次の時代に伝える役割を担い、社会や文化の発展に貢献してきたのです。

いまや人々は、交通や通信技術の進歩によって、これら内外の多様な文化を容易に享受できるようになりました。

 しかし一方で、文明の進歩は文化の多様性を損なう危険性も内包しています。

高度先進文明の急速な伝播と受容は文化の一極集中を生みやすく、独自の地域文化の継承が危うくなる事態が世界中で進行しています。

わが国でも地域格差の拡大が問われるなかで、伝統文化の危機が叫ばれていますし、出版事業においても中央集中が顕著となっています。

私たちは、多様な地域文化を汲み上げた出版活動を推し進めることで複数の文化拠点を作り、わが国の文化水準をさらに高める努力を続けていかなければなりません。

 昨年、公布施行された文字・活字文化振興法は、「文字・活字文化が、人類が長い歴史の中で蓄積してきた知識と知恵の継承及び向上、豊かな人間性の涵養並びに健全な民主主義の発達に欠くことができないものである」と謳い、「国語が日本文化の基盤」であり、「国語力の涵養」が重要であるとしています。

出版界はこれまで様々な形で読書推進運動を展開し、国語力の向上に努めてきました。

同時に制定された「文字・活字文化の日」は、この取り組みをさらに推進していくための大きな契機と位置づけることがなによりも必要です。

 戦争の世紀といわれた二十世紀を経て、平和な二十一世紀を築こうと世界中の人々が努力を重ねていますが、多様な考え方の共存を認めることでしかこの努力が報われることはありません。

われわれ出版人はそれぞれの特色ある出版物によって平和で文化的な社会の発展に寄与していくことを誓い、大会声明といたします。

 平成18年5月9日      第45回全出版人大会

http://www.shoten.co.jp/nisho/bookstore/shinbun/view.asp?PageViewNo=5102
から引用
メンテ

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