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2022年ムック市場、3・4%減の519億円/巣ごもり終息で旅行ガイドが回復/出版科研調べ
日時: 2023/08/26 14:45:41
情報元: 日書連

出版科学研究所発行の『出版月報』2023年3月号は「ムック市場2022」を特集。22年のムック(ムック扱いの廉価軽装版コミックスを除く)の推定販売金額は前年比3・4%減の519億円。新刊点数は同5・3%減少し5729点となった。
ムックの推定販売金額は、新型コロナウイルス感染症が拡大した20年に、同14・9%減と過去最大の落ち込みを記録。コロナ禍3年目の22年は、巣ごもりが終息し外向き消費にシフトするなか、ムックで最も大きなシェアを占める旅行ガイドなどが上向き、同3・4%減の519億円と小幅の減少にとどまった。しかし長期的には減少傾向に歯止めがかからず、12年連続のマイナスとなった。
推定発行部数は同10・2%減の1億974万冊と2桁の大幅減。推定発行金額は、平均価格が同4・8%(43円)増の944円と大きく上昇したため、同5・9%減の1036億円となった。
返品率は、同1・3ポイント改善して49・9%となり、8年ぶりに50%を下回った。
新刊点数は、同5・3%(319点)減の5729点で9年連続のマイナスとなり、ピークの14年から4割程度減少した。販売金額のピークである97年と新刊点数は同様の水準となったが、販売金額は97年の4割程度にとどまる。児童部門、大衆部門の減少が特に大きく、講談社の児童向けムック、ぴあムックの地域ガイド、アダルトやペット関連などが減少した。
出版社別の新刊点数上位をみると、宝島社が327点で22年の最多点数となった。宝島社は、18年に「別冊宝島」が大幅減、19年は「e‐MOOK」シリーズがマルチメディア扱いへ移行するなど点数を大きく減らしていたが、横ばいから上昇に転じ、22年は前年比47点増加した。料理レシピムックや生活関連、シニア世代向け、様々な企業とコラボしたファンブックなど、多様なジャンルで刊行を増やしたほか、前年にはなかったYouTuber関連も刊行した。
ここ数年点数トップだった講談社は、ディズニーの絵本など児童向けムックを大幅に減らし、同101点減の197点となった。実話系、アダルト系、パズル関連が主体の大洋図書は同16点減の232点。生活用品や家電・ガジェットなどの比較テスト情報誌が中心でパズル関連も刊行する晋遊舎は同10点減の228点。手芸・ソーイング関連を刊行するブティック社は16点増の202点だった。旅行ガイドを刊行するJTBパブリッシングは、20年、21年は減少したが、22年は同19点増の187点まで回復。一方、昭文社は同41点減の103点。「まっぷる」が約20点減少したほか、前年あった絶景ガイドやコラボムックが刊行されなかった。また、生活情報が中心の扶桑社は同12点増の163点、模型関連中心のホビージャパンが同27点増の108点と、ともに3年連続増加した。
上位30社が占める割合は同2・2ポイント増の67・9%。ここ数年は全体の3分の2程度で推移する。
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