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山下書店世田谷店で「夜間無人営業」実証実験/売上前年比2桁増と好調/トーハン
日時: 2023/05/23 18:07:22
情報元: 日書連

トーハンは3月20日から、トーハングループの山下書店世田谷店(東京都世田谷区)で夜間無人営業の実証実験を開始した。20日〜25日まで6日間の売上は前年比2桁増と好調な出足となっている。トーハンは実証実験の結果をもとに他の書店への横展開も視野に入れており、街の書店の売上拡大に寄与するシステムとして期待している。
山下書店世田谷店は東急世田谷線の松陰神社前駅から徒歩1分、松陰神社通り商店街に立地し、店舗面積は約30坪。今回の実験では、午前10時〜午後7時は有人、午後7時〜翌日午前10時は無人で営業する。
無人営業時間帯の入店管理・キャッシュレス決済にはNebraskaが開発した書店向けDXソリューション「MUJIN書店」を活用。有人・無人をハイブリッドに組み合わせた24時間営業モデルの実証実験を行う。従来は営業時間外だった時間帯も営業することで夜間・早朝の顧客を獲得し、売上拡大を図る。
無人営業時間に入店するには、まず山下書店世田谷店のLINE公式アカウントを友だちに追加し、スマートフォンで自動ドア横のQRコードを読み込む。すると即座に認証され、自動ドアの電子ロックが解錠される。会計は完全セルフかつキャッシュレス。クレジットカード決済、電子マネー決済、コード決済に対応する。退店時は解錠作業不要で、再び自動で電子ロックされる。
万引の懸念については、全面ガラス張りへの改装、入店時のLINE・QRコード認証による心理的抑止効果、監視カメラの運用により、防犯の役割を果たしているという。
実験スタート後6日間の「MUJIN書店」会員登録者数は288人。売上前年比は24時間通しで16・5%増と好調に推移している。有人営業時間は4・5%減。無人営業時間は21・0ポイントの増収効果となっている。実証実験は7月31日まで行う予定。
山下書店を運営するスーパーブックスの中村大輔専務は「商店街で書店を維持するのは難しい時代だが、地域住民の拠り所となる店を残したい。こういう現実的な場所で売上を回収できる見込みがたてば色々な書店で利用できる。生活圏の小規模書店を持続させる仕組みを作り、成果をあげ、他の書店にも取り組みを広げたい」と話す。
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