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単体・連結とも減収で赤字に/店頭実売減少、経費高止まりが影響/トーハン中間決算
日時: 2023/01/28 16:44:03
情報元: 日書連

トーハンは11月28日、2022年度中間決算(22年4月1日〜9月30日)を発表した。コロナ特需の反動による店頭実売の減少や、経費の高止まりの影響を受け、単体売上高は前年比10・5%減の1786億7300万円、営業損失は9億6100万円(前年は5億200万円の利益)、経常損失は5億5000万円(前年は9億5200万円の利益)、中間純損失は6億2000万円(前年は2億7100万円の利益)と赤字決算になった。
単体売上高の内訳は、書籍が同12・9%減の751億7300万円、雑誌が同7・9%減の526億1200万円、コミックが同12・0%減の247億4700万円、マルチメディア商品が同3・2%減の212億8800万円と、4部門すべてで減少した。
返品率は、書籍が同3・3ポイント増の40・5%、雑誌が同0・2ポイント増の48・7%、コミックが同2・1ポイント増の25・0%、マルチメディア商品が同3・6ポイント増の25・2%で、総合で40・2%と同2・1ポイント悪化した。
売上総利益は204億3400万円で同8・1%減。販売費及び一般管理費は213億9500万円で同1・5%減と、経費の伸長率が売上高・売上総利益の伸長率を上回った。販売費のうち送品運賃は、送品金額の推移が抑えられているのに比べ、1キログラム当たりの運賃単価が上昇を続けている。出版社に協力を要請している運賃協力金では、雑誌の超過運賃負担金の制度改定は、9月末現在で641社中412社、書籍の物流・運賃協力金については1580社中1072社から協力するとの回答を得た。また、物流会社への業務委託料も、最低賃金の上昇の影響を受け、送品金額に比べ高止まりしている。一般管理費は、不動産事業の新規展開に伴う租税公課の一時的な増加や、水道光熱費の増加などで前年を0・3ポイント上回った。
子会社26社を含む連結決算は、売上高は前年比10・2%減の1913億8300万円、営業損失は7億4300万円(前年は11億2600万円の利益)、経常損失は6億4100万円(前年は11億1900万円の利益)、親会社株主に帰属する中間純損失は9億5700万円(前年は4億7800万円の利益)。
事業セグメント別の経常損益を見ると、書店系(10社)も売上減少に加え人件費・光熱費等の上昇が影響して赤字に。卸売、メーカー等の「その他」(12社)では、マリモクラフトのキャラクター事業が、書店ルート限定企画「ちいかわ書店」の展開などにより好調だった。
11月28日の記者会見で、小野晴輝専務取締役は「直近の11月の月次店頭POS売上が前年実績を上回り、書店の店頭状況がようやく下げ止まりつつあるという感触がある。新刊書籍、雑誌、コミックの単価上昇もプラスの要素になるとみている」とし、12月からの丸善ジュンク堂書店の取引一本化に加え、社内のコスト管理を下半期も徹底していくことで、「上半期の遅れを取り戻し、通期で黒字化したい」と話した。
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