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電子書籍市場は5510億円/26年度に8000億円規模と予測/インプレス総研調査
日時: 2022/11/11 17:23:59
情報元: 日書連

インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、2021年度の電子書籍市場動向を発表。電子書籍市場は前年比14・3%増の5510億円で、20年度の4821億円から689億円増加した。年度前半は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛による巣ごもり需要で、前年度から引き続き追い風を受けたが、年度後半は自粛要請が緩和され、外出やリアルの活動も戻って消費行動の変化も見られたことから、市場動向が落ち着いた。インプレス総合研究所では、26年度には8000億円の市場に成長すると予測している。
21年度の電子書籍市場規模の内訳を見ると、コミックは前年度から658億円増の4660億円(市場シェア84・6%)、文字もの等(文芸・実用書・写真集等)が同41億円増の597億円(同10・8%)、雑誌が同10億円減の253億円(同4・6%)となった。
モバイル(スマートフォン・タブレット)ユーザーに対して、電子書籍の利用率を調査したところ、有料の電子書籍利用率は19・8%となり、前年から0・7ポイント減少した。一方、無料の電子書籍のみを利用している人は、前年から1・3ポイント増えて26・1%となった。
有料電子書籍利用率が高いのは男性20代の29・3%、男性30代の26・5%、女性20代の24・1%で、男女とも20代、30代の利用率が高い。無料の電子書籍のみの利用率が最も高いのは女性10代の41・5%で、女性20代の30・1%、男性10代の28・7%と続く。前年調査時よりも有料での利用率が増加している年代は男性40代・60歳以上、女性10代・40代・50代で、有料での利用率が低下している年代の方が多くなっている。
最近注目を集めているオーディオブックについて、利用経験と利用意向を尋ねると、「よく利用する」が1・9%、「たまに利用する」が6・1%で、両者を合わせたオーディオブックの利用率は8・0%と、前年調査から1・9ポイント増加した。また「利用したことはないが、利用したいと思う」と回答した利用意向を持つ人は19・3%で、1・4ポイント増加した。
利用している電子書籍サービスやアプリは、「LINEマンガ」が29・3%で最も高く、2位は「ピッコマ」28・7%、3位は「Kindleストア」23・6%、4位は「少年ジャンプ+」17・9%、5位は「マガポケ」14・0%。上位5つのうち4つがメディア型のマンガアプリとなった。また、利用している電子書籍サービスやアプリのうち、購入・課金したことのあるものを聞いたところ、「Kindleストア」が最も高く33・2%。2位「ピッコマ」20・0%、3位「楽天Kobo電子書籍ストア」18・5%と続く。
スマートフォンでの購読に最適化した韓国発の縦スクロールのカラーマンガ「WEBTOON」に対する好みを聞くと、「とても好き」「好き」を合わせた好意的な評価は28・7%。若年層の方が好意的なユーザーの比率が高く、「とても好き」「好き」を合わせた比率は、女性10代で53・0%、男性10代で37・7%、男性20代で36・6%、女性20代で36・1%。
21年度のマンガアプリの広告市場は前年から横ばいの260億円。無料でマンガを読めるアプリやサービスの利用が引き続き拡大している一方、新型コロナウイルス感染拡大による広告指標の悪化から広告単価が下落。また、海賊版サイトや個人情報保護強化による影響も受けている。
調査結果の詳細は『電子書籍ビジネス調査報告書2022』にまとめられている。購入はインプレス総合研究所のHPから(https://research.impress.co.jp/)。
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