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一般部門最優秀賞に松下隆一さん/第1回京都文学賞受賞作が決定
日時: 2020/05/30 08:36:31
情報元: 日書連

京都市、京都新聞、京都出版文化協会等で構成する京都文学賞実行委員会は、このほど「第1回京都文学賞」の受賞作等を決定。一般部門の最優秀賞は、松下隆一さんの「もう森へは行かない」が選ばれた。
京都文学賞は、京都を題材とする未発表の小説を公募するもので、「一般」「中高生」「海外」の3部門を設け、昨年6月1日から9月30日まで、プロ・アマを問わず全国から作品を募集。一般部門464件、中高生部門64件、海外部門9件の応募があった。書評家等による1次選考、一般公募した読者選考委員による2次選考を経て、2月上旬に作家のいしいしんじ氏、原田マハ氏らが務める最終選考委員6名と読者選考委員代表5名による最終選考会を行い、2次選考通過作品(一般部門5作品、中高生部門3作品、海外部門2作品)について選考。京都文学賞実行委員会第2回総会を開催して以下の受賞作等を決定した。
(1)一般部門/最優秀賞=「もう森へは行かない」松下隆一(新潮社から刊行予定)/優秀賞=「太秦――恋がたき」藤田芳康(河出書房新社から刊行予定)(2)中高生部門/最優秀賞=「マスクの秘密」阪野媛理/優秀賞=「十六畳の宝箱」高野知宙(3)海外部門/最優秀賞=受賞作なし/奨励作=「線対称な家族」翁筱青、「Cat under the moon」古賀ブラウズオリビア水伽月
一般部門最優秀賞を受賞した松下さんの作品は、平安時代の盗賊が主人公で、非道を極めた若者が人々との出会いの中で迷い、葛藤しながら人間らしさを取り戻していく物語。最終選考委員のいしい氏は「何度読んでも圧倒される。企んで書いたのでない。こう書くよりほかなかった切実さがギシギシ伝わる」と選評した。
京都文学賞実行委員会は、門川大作京都市長が実行委員長を務め、書店界からは京都出版文化協会・大垣守弘代表理事(大垣書店)が副実行委員長、京都府書店商業組合・洞本昌哉副理事長(ふたば書房)が委員として参画。大垣氏は賞の最終選考委員を務めた。京都府書店商業組合や出版社8社などが協力し、京都組合は書店店頭での京都文学賞の広報(チラシ・ポスターの配架)などの役割を担当した。
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