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顔認証データ27人登録、5人確保/万引防止「渋谷プロジェクト」6ヵ月の実績発表
日時: 2020/04/22 18:52:51
情報元: 日書連

東京都渋谷区の大盛堂書店、啓文堂書店渋谷店、MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店の3書店は、防犯カメラの顔認証システムで集めた個人データを登録して共同利用する「渋谷書店万引対策共同プロジェクト」の取り組みを昨年7月30日からスタート。同プロジェクト事務局は、このほど開始後約6ヵ月の実績をまとめた。2月11日までの期間中、万引を行った27人(31件)の顔認証データを登録し、このうち5人を確保した。
確認した万引行為31件中29件は単独で行われ、残り2件は2人組みの疑いがある。このうち4件は、登録済みの人物が登録した当該店または他店に再来店したもの。転売目的のコミック万引の常習者や複数万引の常習手口もいたが、自己消費目的が多かった。
事務局によると、プロジェクト開始後、トラブルは一切なく、開始直後に1件だけあった抗議の申し入れもその後見られず、順調に推移しているという。
プロジェクトのシステムは、登録済みの対象者の来店を確認した件数が予想通りの割合であるなど、目論見通り稼働している。特に、登録済みの対象者が、登録店舗以外の店舗に来店した事案では、万引の敢行を抑止。このシステムにより複数の事業者間での情報共有が行われたことで対処できたものと、成果を強調している。
一方、登録件数が予想より少なめであることが指摘され、原因として、万引きが巧妙に行われるなど、確認の困難さがあげられている。防犯カメラの画像の解析をさらに効率的に進めるなど、登録件数の増加を図ることが必要としている。
また、登録済みの対象者が来店したことが確認されたにもかかわらず、被害の防止が図れなかった事案が2件あり、この点について対応のあり方が検討された。来店した対象者が店内での不審な行動に移る前に、抑止するための声掛けのやり方などに習熟する必要があることを確認した。
さらに、参加店には、万引の減少を実感している店と、あまり感じていない店があることから、万引実態の把握に努める必要があり、参加店の棚卸後のロス率の改善度を相互に検討することを確認した。
事務局では、プロジェクトの状況を出来る範囲で区内の他書店とも共有し、プロジェクトの必要性について理解を広げたいとしている。
メンテ

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