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講談社、増収増益の決算/デジタル分野や版権事業が伸長/純利益は前年比約2・5倍に
日時: 2020/03/15 12:11:13
情報元: 日書連

講談社は2月20日、東京・文京区の本社で定時株主総会を開き、第81期(2018年12月1日~19年11月30日)決算と役員体制を発表した。
売上高は前年比12・7%増の1358億3500万円。内訳は、製品(紙の書籍・雑誌)が同3・9%減の643億1000万円。広告収入が同18・4%増の59億2600万円。事業収入が同38・5%増の613億7000万円で、このうちデジタル関連収入が同39・2%増の465億円、国内版権収入が同36・5%増の81億円、海外版権収入が同39・5%増の66億円。その他が同0・5%増の10億6700万円。不動産収入が同0・3%増の31億6000万円。
製品は、年度前半は芥川賞・直木賞のダブル受賞や、映像化によるコミック単行本の増売等で前年を上回って推移したが、8月以降は、海賊版サイト閉鎖後に売上が回復した前年に対し出荷が減少して減収となった。事業収入は、コミック分野を中心に大きく売上が伸長。電子書籍は年間を通じて前年を上回り好調に推移した。国内・海外版権収入は積極的な映像化による配信・商品化ビジネスが拡大。広告収入は、紙の雑誌は低減が続いたが、ウェブ広告が伸長した。
原価面では、製品の原価率を前年より改善。費用面は、デジタル媒体での積極的な宣伝展開により前年を上回った。この結果、営業利益は前年比66億円増の89億円、経常利益は同65億円増の112億円。税引前当期純利益は110億2100万円(同144・5%増)、当期純利益は72億3100万円(同152・9%増)と増収増益の決算になった。
同日行われた決算報告会で吉富伸亭取締役は「紙媒体は厳しい状況が続くが、企画の厳選と発行部数の適正化の取り組みが原価の削減、返品減少をもたらして利益率を改善、増益に貢献した」と述べた。
野間省伸社長は「21世紀に入って最高の数字となった。返品削減の努力を重ねた結果、紙製品の利益率が大幅に改善した。紙製品は工夫次第でまだまだビジネスになる、紙の本には底力があると改めて確認できた。デジタルや映像化等の分野もさらに伸ばしつつ、本業の大きな柱であり続ける紙製品の魅力をこれからも広く、強く発信していく」との方針を示した。
また、東京・池袋にオープン予定のLIVEエンターテインメントビル「MixaliveTOKYO(ミクサライブ東京)」について、「ライブビジネスに進出するのは新しい挑戦ではなく、むしろ必然。講談社は110年の歴史の中で、時代に合わせて表現形態を自在に変えながら、面白くてためになる作品と才能を世に送り出してきた。ミクサライブ東京も出版の1つの形だ。講談社はこれからも出版の新しい姿を追い求めていく」と意欲を語った。
役員人事では、金丸徳雄常務を専務に、森田浩章取締役を常務に昇任。また、菊池俊行総務局長を取締役に、凸版印刷代表取締役会長の金子眞吾氏を監査役に新任した。
新役員体制は以下の通り(◎は昇任、○は新任)。
代表取締役社長
野間省伸
専務取締役(社長室)
◎金丸徳雄
常務取締役(販売局)
峰岸延也
同(ライツ・メディアビジネス局)古川公平
同(第五事業局)
渡瀬昌彦
同(第三事業局、第四事業局)◎森田浩章
取締役(編集総務局、第六事業局)清田則子
同(第一事業局、第二事業局)鈴木章一
同(経理局)吉富伸享
同(広報室、IT戦略企画室)吉羽治
同(総務局)○菊池俊行
同(非常勤)野内雅宏
常任監査役白石光行
監査役○金子眞吾
メンテ

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