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営業・宣伝と編集一体の販売体制構築/新書好調で3年連続黒字/書店読売中公会
日時: 2018/12/29 21:41:04
情報元: 日書連



書店読売中公会は11月14日、東京都千代田区のよみうり大手町ホールで第34回総会を開き、会員書店、取次、読売新聞東京本社と中央公論新社の関係者ら138名が出席。中央公論新社の松田陽三社長は、営業・宣伝部門と編集部門が一体となって増売に取り組む方針を説明した。
冒頭あいさつした松田社長は、同社の2017年度決算について3年連続黒字を確保できたと報告。一昨年の『応仁の乱』の勢いを持続し、楠木新『定年後』、磯田道史『日本史の内幕』、五木寛之『孤独のすすめ』といった新書がベストセラーになったことが大きな要因と説明した。
また、現在進めている構造改革について「営業力の強化に努めている。営業・宣伝ラインを再編し、編集部門と一体となって書籍・雑誌を販売していく体制を作った」と説明。その効果が現れた一例として誉田哲也の小説『月光』(中公文庫)をあげ、「同書は2013年刊行だが、編集から営業に異動した社員が、書店から『この本はこうしたら売れる』というヒントをもらい、プロモーションを練り直して店頭で仕掛け、売行きが復活した」とエピソードを披露した。
続いて、活動報告・企画説明を各担当者が行った。
会員書店の販売実績は、17年度の売上高は前年比14・8%増の30億3797万円と好調に推移したことが報告された。ジャンル別では、中公新書ラクレが同132・8%増、中公新書が同56・7%増、単行本が同24・8%増と伸長。一方、中公文庫は同10・0%減と2桁マイナスだった。
18年〜19年の販売企画については、創業130年記念企画として誕生した文芸誌「小説BOC」の掲載作品から、来年3月に朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』、4月に伊坂幸太郎『シーソーモンスター』などを発売すると説明があった。
中公文庫からは、『老後の資金がありません』が20万部を突破した垣谷美雨の『夫の墓には入りません』を来年1月に発売。また、NHK連続テレビ小説「まんぷく」のモデルでカップヌードルを発明した日清食品創業者・安藤百福を紹介した『転んでもただでは起きるな!』、仕掛け販売で再ブレイクした『月光』の増売企画を説明した。
総会終了後に行われた懇親会では、読売新聞グループ本社の白石興二郎会長が「厳しい時代だが、文字活字文化と書店の繁栄のために一致協力して頑張りたい」とあいさつし、山口寿一社長の発声で乾杯した。
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