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売上高伸長率マイナス5・19%/23年連続の前年割れに/トーハン・書店経営の実態
日時: 2018/11/19 14:05:57
情報元: 日書連

トーハンは、全国123企業510店舗の経営資料を集計分析した平成30年度版『書店経営の実態』を発行した。これによると、平均売上高伸長率はマイナス5・19%(前年マイナス2・78%)で、23年連続のマイナス成長となった。
『書店経営の実態』は、売上高対経常利益率が0・0%以上の企業を「健全企業」、0・0%未満の企業を「欠損企業」として分析している。売上高伸長率をみると、健全企業がマイナス4・75%(前年マイナス2・28%)、欠損企業がマイナス5・78%(同マイナス5・48%)で、総平均でマイナス5・19%(同2・78%)と、23年連続の前年割れになった。
売上高対粗利益率は書店業界では20〜23%が平均的といわれる。健全企業は23・97%、欠損企業は24・06%で総平均では24・01%(同23・72%)となった。
企業の営業力の指標といえる売上高対営業利益率は総平均で0・02%(同0・27%)。健全企業は1・48%だったが、欠損企業はマイナス1・87%。売上高対経常利益率は健全企業が2・05%、欠損企業がマイナス1・35%で、総平均は0・57%(同0・83%)になった。
売上高対販売費・管理費率は総平均で23・99%(同23・45%)。健全企業は22・49%、欠損企業は25・93%だった。また、売上高対人件費率は総平均で11・62%(同11・45%)。健全企業は10・84%、欠損企業は12・65%だった。
粗利益対経費率は、販売費及び一般管理費が粗利益に占める割合をみるもので、収益が厳しい低成長期には特に重要になる。総平均では99・92%(同98・86%)で、健全企業が93・83%に対し欠損企業が107・78%だった。労働分配率は50%以下が目標とされるが、健全企業が45・22%、欠損企業が52・58%で、総平均では48・40%(同48・27%)になった。
従事者1人当りの月間売上高は、健全企業が195万3千円、欠損企業が175万3千円で、総平均では187万1千円と前年比10万5千円減少した。従事者1人当りの月間粗利益高をみると、健全企業46万8千円に対し欠損企業42万2千円。総平均で同2万円減の44万9千円だった。
商品回転率は健全企業4・42回、欠損企業3・83回で、総平均は同0・13回減の4・20回。売上高対粗利益率に商品回転率を掛けた商品投下資本粗利益率は、収益性と商品投資効率を総合的に判断する指標だが、健全企業105・95%、欠損企業92・15%で、総平均では同1・87ポイント減少して100・84%になった。
総資本に占める純資産(自己資本)の割合を示す自己資本比率は、健全企業が31・26%、欠損企業が12・55%で、総平均は同0・15ポイント減の23・78%だった。事業に投下された資本総額の回転速度を示す総資本回転率は、書店経営では約2回転が目安。総平均は同0・18回増の1・69回で、健全企業が1・74回、欠損企業が1・63回だった。
流動比率は、1年以内に回収される資産である流動資産と、返済義務を負う流動負債のバランスをみることで短期支払い能力を表す指標で、130%以上の確保が望ましい。健全企業は162・43%、欠損企業は109・13%で、総平均は同16・29ポイント減の135・93%となった。
固定資産への投資が適正化を判断する尺度となる固定比率は、100%以下が目標。健全企業は109・72%、欠損企業は276・02%で、総平均は同3・39ポイント減の144・79%だった。
店舗単位での売上高伸長率は、前年のマイナス2・6%に対しマイナス5・2%と、前年に比べマイナス幅が拡大した。
売上高伸長率を売場規模別にみると、最も下げ幅が大きかったのが60坪未満のマイナス6・7%。立地環境別では、商店街がマイナス7・0%減と振るわなかった。売上規模別では、5千万円未満がマイナス9・3%と不振が目立った。地域別では甲信越・北陸と東海の下げが最も大きく、マイナス5・5%減と落ち込んだ。
複合型書店の調査では、書籍・雑誌以外の売上構成が20%以上の店舗を複合型書店、20%未満を本専業店に分類。複合型書店の売上高伸長率を部門別にみると、レンタル複合店がマイナス5・5%、セルCD・DVD複合店がマイナス5・2%、その他の商材複合店がマイナス4・9%、文具複合店がマイナス4・6%、雑貨複合店がマイナス4・1%で、本専業店はマイナス5・3%だった。
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