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日上、山野辺両氏に文藝賞/河出書房新社
日時: 2018/11/19 14:05:33
情報元: 日書連

河出書房新社が主催する第55回文藝賞は、日上秀之氏『はんぷくするもの』、山野辺太郎氏『いつか深い穴に落ちるまで』に決まり、10月17日に東京・千代田区の山の上ホテルで披露の会が行われた。
両氏はともに東北の出身。受賞者あいさつで日上氏は、「地方ではシステムの綱をいかに踏み外さないかが問われ、そこから逸脱することには過剰なリアリティが伴う。それこそが私の創作の動力となっている。それがどこまで有効なのか、不安を抱えつつ、少しずつ前進していきたい」。山野辺氏は「人生の初心者として日々驚き、迷い、戸惑いながら歩いてきたが、小説の力に励まされて生きていくことができた。この広い世界や、未来のどこかにいるふらふらしている誰かに向けて、励ましとなるものを手向けることができたらを思っている」と語った。
主催者あいさつで小野寺優社長は「2人の作品は対照的で全く異なる作風を持っているが、共通するのは、正しいとか間違っているとかではなく、小説だからこそできることがあると信じていることだと思う。今の社会は白か黒かの判断を強要し、極めてデジタルで非寛容的だ。その中で小説は、間にあるものを描き、読者にそれを問うことができる」と述べた。
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