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トーハン中間決算/連結、単体とも減収減益/雑誌、コミックの不振響く
日時: 2017/12/22 13:53:53
情報元: 日書連

トーハンは11月28日、第71期中間決算(平成29年4月1日〜9月30日)を発表、単体の上半期売上高は2016億6100万円で前年比6・4%減少した。
売上高の内訳は、書籍761億5500万円(前年比4・9%減)、雑誌699億9000万円(同11・3%減)、コミック222億1000万円(同17・6%減)、MM(マルチメディア)商品333億500万円(同12・9%増)。MM商品は2桁増と健闘したものの雑誌とコミックの落ち込みを補うには至らなかった。
売上総利益は同7・2%減の229億9300万円。販売費のうち運賃は、出版輸送維持のための運賃改定の影響で、同0・9%減と売上総利益の伸張率を6・3ポイント上回り、販売費全体では同4・9%減と売上総利益の伸びを2・3ポイント上回った。一般管理費は、全社的なコスト削減に取り組んだものの、同3・4%減と売上総利益の伸びを3・8ポイント上回った。この結果、営業利益は同26・6%減の24億1600万円。経常利益は同20・7%減の15億8800万円、中間純利益は同30・0%減の9億600万円と減収減益の決算になった。
返品率は、書籍が同0・1ポイント増の46・0%、雑誌が同3・3ポイント増の51・5%、コミックが同4・2ポイント増の34・6%、MM商品が同0・6ポイント増の14・0%で、合計では同1・4ポイント増の43・7%。
書籍は、「うんこ漢字ドリル」シリーズがヒットした教科書学参ジャンルが同8・7%増と好調。上半期ベストセラー1位の『九十歳。何がめでたい』や直木賞・本屋大賞のダブル受賞となった『蜜蜂と遠雷』など話題作はあったものの、送品が前年を下回り、返品率も0・1ポイント悪化したため、売上は前年を下回った。雑誌は、店頭状況の伸び悩みとともに、相次ぐ休刊や点数減少を伴う刊行変更が大きく響いた。コミックは、大物作品の相次ぐ完結に加え、電子コミックの市場拡大、webマンガアプリの台頭が紙のマーケットの縮小傾向に拍車をかけた。MM商品は、CD・DVDが売上を牽引し、特に7月発売された大ヒット映画『君の名は。』の映像ソフトが売上に貢献した。
輸送コストについては、運送会社からの値上げ要請を受け、今年度だけで運賃は6億9000万円増加。次年度も7社から値上げ要請があり4億1000万円の負担増を見込む。運賃の上昇額は14年度から18年度までの累計で約15億円に達しており、記者会見の席上、川上浩明専務は「固定費を一生懸命削減しているが追いつかない状況」と危機感を示した。
連結対象子会社16社を含む連結決算は、売上高は前年比6・2%減の2090億6200万円、営業利益は同34・9%減の19億4200万円、経常利益は同51・2%減の10億700万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同79・3%減の2億6800万円で、単体と同様に減収減益の決算となった。単体と比べ大幅減益となっているのは、相殺処理や昨年度計上した特別利益がないなど一過性の要因によるもので、16社の損益計算書を単純合算すると経常利益は増益だとしている。
メンテ

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