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売上総利益率0・13ポイント減少/専業企業と複合企業の差が拡大/日販『書店経営指標』
日時: 2017/10/03 17:39:10
情報元: 日書連

日販は全国69企業521店舗の経営関連データを収集分析した『書店経営指標』2017年版を発行した。企業ベースの売上総利益率を、Book売上構成比が80%以上の専業企業と、80%未満の複合企業で比較すると、専業企業は前年比1・68ポイント減の23・08%に対し、複合企業は同1・07ポイント増の30・25%となり、専業と複合の差は7・17ポイントと前年よりさらに拡大した。
企業ベースの売上総利益率は前年比0・13ポイント減の27・48%。営業利益率は同0・04ポイント減の0・11%、経常利益率は前年と変わらず0・43%だった。しかし特別利益が同0・51ポイント減の0・30%、特別損失が同0・54ポイント増の1・14%となったため、当期純利益はマイナス0・76%と同1・07ポイント減少した。
過去3年間の推移をみると売上総利益率が「35%以上」の企業数構成比が3年連続減少し、利益率は悪化傾向にある。経常利益率は「マイナス2%未満」「マイナス2%〜0%未満」の企業数構成比が減少し改善傾向となっているが、「3%以上」の企業数構成比は依然減少が続いている。
収益性の総合指標である総資本対経常利益率は同0・11ポイント悪化し0・79%になった。減少が大きかったのは、収益(経常利益率)別「3%以上」で同2・63ポイント減少した。営業利益率は同0・04ポイント悪化の0・11%。減少が大きい区分は、Book売上構成比別「80%以上」で同0・22ポイント減、「50%未満」で同0・16ポイント減だった。
総資本回転率は同0・03回減の1・81回。商品回転率は5・88回で、同0・33回増加した。支払い能力を示す流動比率は117・86%で、同26・81ポイント悪化した。また、返済義務のない自己資本の割合を表す総資本対自己資本比率は同0・12ポイント改善し21・42%になった。
従業員1人当たりの売上総利益を表す労働生産性は、同7万4千円減少して489万4千円になった。また、1時間当たりの売上総利益を表す人時生産性は、同42円増の3168円になった。
正規従業員の平均年間勤務日数は247日、年間総実労働時間は1949時間だった。パート・アルバイトの年間総実労働時間は1153時間。また、正規従業員の平均月給は26万4千円、パート・アルバイトの時給は855円だった。
店舗ベースの売上総利益率は29・5%で、同0・2ポイント減少した。営業利益率は同0・1ポイント減の2・5%。売上総利益率を100として、人件費率と地代家賃率の過去3年間推移をみると、人件費率は42・4%で同4・4ポイント増、地代家賃率は27・1%で同0・5ポイント増。人件費・地代家賃率の合計は69・5%と同4・9ポイントの大幅増となり、店舗の収益を圧迫している。
店舗全体の売上高は同2・3%減で、売上構成比別にみると、文具は同3・9%増、飲食料品・雑貨は同1・9%増と前年を上回った。このほか、Bookが3・5%減、レンタルが3・4%減、セルが9・0%減、ゲーム・トレカが同2・9%減となった。
立地別では、駅ビルが同2・1%減、駅前が同2・8%減、商店街が同2・1%減、SC内が同4・0%減、郊外が同1・2%減と全立地で前年を下回った。

〔調査企業の内訳〕
▽Book売上構成比別=「80%以上」36・5%、「50%以上80%未満」21・2%、「50%未満」42・3%
▽収益(経常利益率)別=「3%以上」8・0%、「1%以上3%未満」22・0%、「0%以上1%未満」34・0%、「0%未満」36・0%
▽売上規模別=「10億円以上」17・6%、「5億円以上10億円未満」9・8%、「3億円以上5億円未満」13・7%、「3億円未満」58・9%

『書店経営指標』2017年版(B5判45ページ、頒価税込1620円)に関する問い合わせは、日販営業推進室書店サポートチームまで。TEL03―3233―4791
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