出版・書店 業界 NEWS BOOKSルーエ


出版書店 業界NEWS TOPへ > 記事閲覧           新文化 定期購読 受付  

全件警察に届出は55%/小売業万引被害実態調査/万防機構
日時: 2016/09/03 21:37:12
情報元: 日書連

全国万引犯罪防止機構(万防機構)は第11回「全国小売業万引被害実態調査」の報告書を発表した。これによると、調査に回答した企業の1社平均の万引被害件数は59件で、万引を発見したら全件警察に通報すると答えた企業は全体の55・3%にのぼることがわかった。
この調査は、万防機構が全国の主要小売業・サービス業における万引被害の現状を把握するために毎年実施しているもので、一昨年度から警視庁・東京万引き防止官民合同会議との合同調査となっている。日本経済新聞社編「日経小売・卸売企業年鑑2006」調査台帳を基本に、随時最新の情報に更新した掲載企業のうち、主として「セルフ販売」を採用する企業を調査対象にした。調査票を郵送配布・郵送回収する形で、今回は1754社を対象に行い、有効回収数は573社(有効回収率33・0%)。回答企業の業態別分布は、企業数の多い順に次の通り。
▽スーパー=161社▽書籍・文具=102社▽楽器・CD・レンタル=73社▽百貨店=49社▽ドラッグストア=34社▽その他専門店=31社▽ホームセンター・カー用品=30社▽婦人服・子供服=21社▽玩具・ホビー用品=12社▽服飾・服飾雑貨=10社▽コンビニ・ミニスーパー=9社▽靴、生鮮=各6社▽時計・めがね=5社▽宝飾品、酒類=各4社▽紳士服、呉服、総合ディスカウント=各3社▽カジュアル衣料、スポーツ用品=各2社▽家電製品、価格均一ショップ(100円ショップ等)、生活協同組合=各1社。
回答企業の展開する店舗数は、「5店舗以下」が244件(42・6%)、「11〜30店舗」が95件(16・6%)、「101店舗以上」が65件(11・3%)、「6〜10店舗」が63件(11・0%)、「31〜50店舗」が44件(7・7%)、「51〜100店舗」が42件(7・3%)となっている。
各企業に万引対策を担当している部署を聞いたところ、「店舗」が56・9%で最も多く、「本部」29・5%、「警備部門」5・9%の順となった。
万引犯罪を発見した後の基本的な処理方針について尋ねると、最も多かったのは「全件警察に届出する」で55・3%。「警察に届出するのはケースバイケース」が38・9%、「届出しない」は0・7%だった。
警察に届ける際の判断基準の有無については、「特に判断基準は無い」が65・5%に対し、「判断基準がある」が34・5%。判断基準があると答えた企業に、その内容について尋ねると、「被害額の大きさ」31・2%、「犯行の回数」5・2%、「その他」61・0%となった。
警察の書類作成に要する時間について、昨年比で変化したかを聞くと、「わからない」が43・8%。次いで「警察の対応時間は変わらない」が36・8%となった。「警察の対応時間は短くなった」は11・0%。「長くなった」は1・7%にとどまった。
万引犯罪の防止策では、集団窃盗対策として同業者との情報共有について尋ねると、「考えていない」が最も多く55・1%だったが、「すでに情報の共有をしている」が22・3%、「検討中である」が16・9%で、情報共有に積極姿勢を示す回答が4割近くに上った。また、「すでに情報の共有をしている」と答えた企業に、犯人が映っている画像の共有について聞くと、「画像は共有していない」が60・2%、「画像も共有している」が39・1%という結果になった。
万引犯の捕捉にかかった費用(人件費等)の損害賠償請求について聞くと、「考えていない」74・7%、「検討中である」15・2%、「すでに導入している」4・5%という回答になった。書店・文具の業態に限ると、「考えていない」61・8%に対し、「検討中である」21・6%、「すでに導入している」11・8%となり、検討中もしくは導入済みという回答が、全体の平均より高い結果になっている。
万引窃盗犯の「店内確保」については、「していない」が最も多く61・8%。「すでに実施している」は22・7%、「検討中である」は10・8%だった。書店・文具の業態に限ると、「すでに実施している」がトップで44・1%、「していない」39・2%、「検討中である」13・7%という順になった。
確保した万引犯の件数は、有効回答367社の総件数が2万1465件で、1社平均59件。平均件数の多い業態は、コンビニ・ミニスーパーがトップで260件。以下、ホームセンター・カー用品165件、カジュアル衣料143件、ドラッグストア113件、スーパー94件、総合ディスカウント93件、百貨店62件、生鮮46件、書籍・文具19件という順になっている。
確保した万引犯の男女別内訳は、男性33・8%、女性28・3%、性別不明37・8%。万引被害金額について1年前と比較して傾向を
聞くと、「変わらない」が最も多く26・9%。「大変増えた」(1・6%)、「やや増えた」(10・8%)を合わせた「増加」が12・4%に対し、「大変減った」(4・0%)、「やや減った」(12・9%)を合わせた「減少」は16・9%という結果になった。
メンテ

Page: 1 |