出版・書店 業界 NEWS BOOKSルーエ


出版書店 業界NEWS TOPへ > 記事閲覧           新文化 定期購読 受付  

出版業の倒産、15年は38件/不況型倒産の比率高く
日時: 2016/02/17 18:13:39
情報元: 日書連

東京商工リサーチが2月3日に発表したリポートによると、2015年(1月―12月)の出版業の倒産は38件で2014年より3件増加した。1996年以降の20年間では4番目に少なかったが、2013年(33件)を底に2年連続で増加した。2015年の全産業の倒産は8812件と7年連続で減少しており、対照的な結果となった。
原因別でみると、最多は「販売不振」の26件(構成比68・4%)。次いで、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」6件(同15・7%)、「他社倒産の余波」4件(同10・5%)と続く。
2015年の全産業の倒産8812件のうち「販売不振」は5959件(同67・6%)で、出版業の「販売不振」を原因とした倒産は構成比率で全産業の平均を上回った。また、「既往のシワ寄せ」が前年比6倍へ急増。慢性的な業績不振による赤字経営で行き詰まった企業が目立つ。他業界と比較して、出版業は不況型倒産の比率が84・2%と高く(全産業比率81・1%)、苦境に喘ぐ業界の姿を反映した格好となった。最大の負債となったのは美術出版社で、負債総額は約19億5000万円。
今年は金融円滑化法後の資金繰り支援スキームの1つとして中小企業再生支援協議会が取り組んできた暫定リスケが終了し、経済産業省は信用保証協会の責任共有制度の見直しを進めている。このように倒産を抑制してきた政策の見直しが議論されているため、今後はこれまで以上に市場性や出版業者としての有益性が問われてくることになり、他社との競争優位性を打ち出せない出版業者は淘汰の嵐に飲み込まれる可能性が高いと分析している。
メンテ

Page: 1 |