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栗田出版販売民事再生について/日書連会長・舩坂良雄
日時: 2015/08/04 21:24:50
情報元: 日書連

栗田出版販売(以下、栗田)が平成27年6月26日付で民事再生手続開始申立てを行ったことに伴い、栗田帳合書店が不利益を被ることのないよう、出版業界の皆様にご協力をお願いいたします。
今回の件は、戦後初となる総合取次の経営破綻であり、出版業界はいまだかつてない大きな危機を迎えたと言えます。すでに栗田帳合書店の営業や債権者である出版社の経営に重大な影響を及ぼしており、出版業界全体の問題として非常に憂慮しているところです。
栗田の経営陣はこの事態を重く受け止め、これ以上の混乱を回避するため栗田帳合書店並びに出版社の意見、批判に謙虚に耳を傾けていただきたい。そして、栗田帳合書店が可能な限り通常に近い形で営業できる体制を作っていただきたい。来春に予定される大阪屋との経営統合までの期間、栗田帳合書店への安定した商品供給を継続して確保するための施策に万全を期して取り組むよう強く要望します。特に新刊配本についてはいまだ停止している出版社も多く、栗田の責任において、あらゆる手段を講じて商品調達に努めていただきたいと思います。
7月6日の債権者説明会で栗田が説明した再生計画案スキームは、出版社に多重の負担を強いるものであるとして強い反発を受けています。その結果、少なからぬ出版社が栗田への出荷を停止し、返品を逆送しています。栗田が出版社の批判を真摯に受け止め、返品問題解決を検討するのは当然です。しかし、出版社の出荷停止措置で商品供給が滞れば、栗田帳合書店の経営に深刻な影響が及び、ひいては書店の先にいるお客様の読書環境を阻害する事態にもつながりかねません。日本の出版文化を守る観点からも、出荷停止措置を行っている出版社の皆様には、措置の解除に向けてご善処くださるようお願い申し上げます。
栗田帳合書店の皆様は動揺せずに営業を続け、一層の販売促進に努めていただきたいと思います。日本書店商業組合連合会としても、今後の推移を注意深く見守りながら、出来る限りの協力をしていくことを表明いたします。
平成27年8月1日
メンテ

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