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扶桑社、書店の一言で16万部
日時: 2010/08/05 07:33:00
情報元: 新文化

約4年前に発売された書籍『覚えておきたい!暮らしの基本100』(扶桑社)が街の本屋さんの一言から生き返り、この7月に発行部数が累計16万部にまでなった。

同書は2006年10月の発売からおよそ五週間で売行きが止まってしまっていた。しかし、昨夏にブックショップ書楽(東京・杉並区)から「雑誌棚に差しておくだけで売れる」という何気ない一言から、インデックス付きの見本を拡材として、東京近郊のBOOKS昭和堂(千葉・習志野市)、紀伊國屋書店玉川高島屋店(東京・世田谷区)、有隣堂ルミネ横浜店(横浜・西区)で仕掛け販売を開始。

昨年9月には「ちょっと困ります。こんな本出されたら他の本が売れなくなるでしょー! このボリュームで980円は安い!」というヴィレッジヴァンガード福山ロッツ店(広島・福山市)の手書きPOPを見本に貼って、全国のおよそ1500店舗で拡販態勢を敷いた。昨年12月、ラックス奈良柏木店(奈良)で58冊を販売。オリオン書房ペーパーウォールエキュート(東京・立川市)では1月、9面陳列で108冊。同ルミネ店(同)では2・3月、16面陳列で270冊を販売。大垣書店イオンモール京都ハナ店(京都・右京区)でも3月だけで170冊を販売し、単月最高記録を更新。その後も5月末までに累計440冊と売り伸ばしている。

そのほか、BOOKEXPRESSディラ大船店(横浜・栄区)、いまじん春日井南店(愛知・春日井市)など多くの書店で増売を仕掛けて実績をあげている。

同書は「ESSE」の連載「まずは基本から!」をまとめたもの。料理や炊事、収納など“ちょっとした生活の知恵”を写真入りで編集した。初版は5万部を発行。取次会社からおよそ3500店舗に配本されていた。数週間で返品もあり、市中在庫がほぼなくなっていた。

昨夏以降の全国約1900店におよぶ仕掛け販売によって、毎月一万部のペースで重版がかかり、ヒット作の仲間入りをした。

同社販売部によると、「見本を置くと売行きで7倍の違いがある。書店の努力で売れる本。取次会社の協力もあり、書店からはまだ毎日注文がくる。当面は30万部を狙いたい」と語っている。
メンテ

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