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10年上半期出店ファイル、2年連続大幅ダウン
日時: 2010/07/14 08:03:07
情報元: 新文化

書籍・雑誌の売場面積が50坪以上の新規店(増改築を除く)を月次で掲載する本紙「出店ファイル」の2010年上半期(1〜6月)実績は、前年同期比25店減の71店となった。過去五年の上半期で最低だった前年からさらに3割近く落ち込み、2年連続で100店を割り、出店意欲が減退。チェーン店別の出店数は連続首位のTSUTAYAがトップをキープ。2位は未来屋書店、ヴィレッジヴァンガード、ヤマダ電機の3社。本売場が400坪以上ある大型店は前年同期に比べ5店減の5店。総売場面積ではジュンク堂書店鹿児島店の1300坪が群を抜き、大垣書店京都駅前店が1000坪で続く。県別では東京が8店でトップ、2位は埼玉で7店。エリア別では首都圏が近畿圏を大きく引き離した。

過去5年間上半期の新規店推移は、06年=122店、07年=131店、08年=129店、09年=96店、10年=71店。40店前後の大量出店となる3月・4月期は30店に達せず、10数店から20店ほどの出店がある5月・6月期も10店に満たず、ブレーキがかかった。

チェーン店の活発な出店に対し、独立系書店の開店が少ない傾向に変化はみられない。新規店71店のうち、系列店が10店未満の独立系書店は8店。シェアでは11%強と2割にも遠くおよばない現状。

チェーン店別の出店数は9店でTSUTAYAがトップ。同社は09年上半期の出店が17店だったが、今期はその約半分に止まった。2位は5店をオープンさせた未来屋書店、ヴィレッジヴァンガード、ヤマダ電機の3社。宮脇書店が4店で5位に入った。このほか、喜久屋書店や紀伊國屋書店、あおい書店、文教堂書店、リブロなど常連のチェーン書店が店舗を拡大している。

ジュンク堂書店は4月に鹿児島店、5月に岡山店をオープン。岡山店は08年5月に開店した喜久屋書店の後継テナントとして出店した。また、ジュンク堂書店は9月2日に東京・渋谷の東急百貨店本店や今年3月に閉店した伊勢丹吉祥寺店跡地、大阪・梅田など年内にも四店舗の出店を計画しており、地域の〈書店地図〉にも大きな影響をおよぼしそうだ。

昨年9月、横浜ランドマークタワー5階に出店したくまざわ書店(343坪)から徒歩5分のJR桜木町駅寄りに紀伊國屋書店横浜みなとみらい店(385坪)が3月に開店。同商圏、同等規模のため、“桜木町戦争”の様相を呈している。

東武ブックスは4月、JR運営の商業施設という初ロケーションで埼玉・西川口店を開店(94坪)。規模も系列店で2番目に大きく、今後の出店方針を占う意味でも〈試金石〉ともなる店。

3年ぶりに静岡本店を再開した戸田書店。再開発地区から立ち退き、仮店舗で約3年間の営業、4月1日に再開発ビル・葵タワーの地下1階から地上2階で開店した。地権者であるから一定の店舗規模は確保できたが、得がたい駅前立地を考慮、新たに買い増して850坪の本店となった。

念願の京都駅中心部に大型店を出店した大垣書店。京都駅前店は書籍・雑誌が750坪、文具やセルCD・DVDなどを併設した複合書店。1000坪クラスはフォレオ大津一里山に続き2店目となる。来年2月をメドにリニューアル、書籍売場を拡大する計画。

上半期に開店した71店の書籍・雑誌売場の総面積は1万3638坪。これを出店数で除すと、平均坪数は192.0坪(前年同期比2.3坪減)。大型店は09年の10店(合計6510坪)に対し、10年は5店(同4500坪)と売場面積で3割近く減少したことが影響した。

新規店71店のうち、書籍・雑誌売場が100坪以下の店舗は29店(同40・8%)と店舗の大型化傾向は変わらない。

地域別は東京(9店)、埼玉(7店)、千葉(5店)、神奈川(4店)の首都圏が25店で首位。2位は東海(静岡・愛知・岐阜・三重)の8店。09年トップの近畿圏(京都・大阪・滋賀・兵庫)は6店(前年同期比13店減)と首都圏から大きく水をあけられ、3位に止まった。


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