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雑協・デジタル推進委員会、実証実験を中間報告/記事購入は2376件に
日時: 2010/04/01 08:52:45
情報元: 新文化

雑協のデジタルコンテンツ推進委員会(大久保徹也委員長)は3月11日、東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で雑誌コンテンツデジタル推進コンソーシアムが実施した第一期実証実験の中間報告会を開いた。会合ではモニターによるデジタル雑誌の閲覧・購入を実証する「parara」実験およびモニター調査の結果が報告された。

同実験では約3100人にログインIDを発行したうち、9割以上の2742人が「parara」サイトにアクセス。閲覧雑誌の傾向はタレントグラビアや主婦向け実用情報誌が上位を占め、記事の購入件数は2376件、平均のコンテンツ購入数は6.5件。

記事購入のポイント数は1万5000パララを付与し、消費ポイント数は2830パララと全体の19%に止まった。報告では「興味や関心をもって閲覧していただいたが、購入率の判断は難しい。サイトのサービス設計を考え直すことでアップするだろう」と分析。

同サイトは記事別に購入できる設計だったが、モニターが1冊丸ごと購入するケースが1対5と圧倒的。9割が雑誌一覧からの検索だったのがひとつの理由と考えられ、キーワード検索の利用率は約10%。記事別は情報誌が上位にランク。「ユーザーは速さが一番とみているようで、インターフェイス、導線のスムーズさはその次だと考えられる。店頭に並んでいる雑誌が読めないかという意向も強かった」と報告された。

モニターのウェブアンケートは参加3164人の約六割にあたる1841人と高い回答率。30代の主婦層が多く、平均年齢は37.7歳。デジタル特性の設問では「廃棄」の容易さがトップに挙げられ、「蓄積」や「検索」と続いた。

ネット記事との比較では内容に「信頼がもてる」や「整理されている」の回答が多かった。有料サービスの利用に関しては「利用する」が57・9%、「その気がない」が42・1%。価格設定は「164円は高い」で「64円は安い」となり、100円がラインと分析。定価以上では購入しないユーザーが9割を超え、本誌より割安なことが購入条件であった。また、「普段はあまり雑誌を読まないが、ネット利用の多い層」が雑誌好き並みの60%だったことも注目される。

大久保委員長は解析可能な範囲でモニターデータを抽出し、総務省に対する報告書に盛り込み、3月24日に提出と報告。第2次実証実験は6月に改めてサイバー特区にエントリーするため、4月に提案骨子のとりまとめ作業を始め、第3回総会を5月初旬にも開くことを確認した。

実証実験は1月28日から2月28日の実施。デジタル雑誌データは51社・91タイトル・122誌。トータル記事数は5083記事。オープン時が62誌・2573記事、2月14日には2510記事が追加された。

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