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【 トーハン・日販再訪問 】 日書連
日時: 2009/10/02 16:16:42
情報元: 日書連

 日書連は9月17日午前11時から書店会館で定例理事会を開催した。

取引改善では送・返品の同日精算問題で、昨年の取次各社訪問から1年が経過したため、改めて日販を訪ねてその後の取り組みを聞いたことが報告された。

トーハンは17日の理事会終了後に大橋会長らで本社を訪問した。

 〔取引改善〕 送・返品の同日精算を求めて、9月16日に日販橋専務を訪問したことを大橋会長が報告した。

 日販橋専務は、同日精算の実現について「技術的、物理的にむずかしい。

解決には時間がかかる」とした一方、「(返品入帳を)1日ぐらいは短縮できる」とも述べたという。

 柴ア委員長は日販と同じ出版共同流通蓮田センターを利用している大阪屋、栗田は請求日前日まで返品入帳している、日販は着荷日に読み取りを完了しているにもかかわらず、5営業日前の入帳である、トーハン、日販は5営業日前から月末までに商品を送れば請求がたち、押し込み販売が可能になると、不合理な仕組みを指摘した。

 理事からは、「大手ナショナル・チェーンは返品データ入帳を認めている。
中小に認めないのは不公平」という指摘もあった。
 一方、先頃、民事再生を決めたゴマブックスの返品対応については、「9月7日の東京地裁申し立て以前、8月末の段階でネットに多数の書き込みがあった」「8月末、組合員に連絡を流したところ、取次から撤回を求められた」などの報告があった。
 柴ア委員長は「出版社有事の場合、書店が被害をこうむる。
今後もこういうケースが起こり得る」とし、トーハンの場合、ゴマブックスの新刊委託126点(7面参照)と長期委託のバースデイブック366点以外の返品は逆送すると案内があったことを報告。
出版社―取次間の新刊委託期間は180日あるのに対して、書店―取次間が105日は不合理と指摘した。
 〔物流研究〕 85掛の取次web注文を通常正味並みに下げられないか、トーハン、日販と交渉したところ、両社とも現状では無理だが、トーハン石井孝文執行役員、日販中山剛取締役を窓口に検討を進めていることを戸和委員長が説明した。
 取次2社は「システムに原資がかかっており、回収のためにも正味は下げられない」という主張だが、戸和委員長は返品減少による流通経費の削減から原資が出ないか、出版社に報奨金を求めてはどうかとし、期間限定でウェブ客注の正味を8掛で出庫し、正味引下げの原資が出るか検証するテストを年内にも示す方向を提起した。
 〔情報化推進〕 コミック本の内容の一部を店頭に設置したパソコン・モニター画面で試読できる「ため本」の実験は、11月1日から福島・高島書房、東京・ブックスページワン、大阪・ブックスふかだ、広島・廣文館など11店舗で展開することになった。
 毎月、小学館、講談社、集英社、白泉社、秋田書店の5社が30点のコミックについて第1巻の内容と宣伝コピーを店頭に流すことにしている。
 日書連マークの図書館導入状況は、鹿児島市の小・中学校77校で導入が決定したほか、山形、滋賀でも日書連マークによる電算化が進んでいると報告があった。
 これに関連して井門委員長は「選書ツール」は年内にリリースする予定であること。
「在庫情報」の提供は年明けにずれるかもしれないと紹介した。
 さらに、日本図書館協会と相談して、ICタグを利用した安価な図書館管理システムの開発も進めたいとした。
 〔財産運用〕 日書連共済会は8月31日付で残余財産5億3446万4715円を日書連に移譲し、日書連共済会清算人会議を解散した。

 残余財産の処分については、各都道府県組合から意見を求めていたところ、東京、千葉、長野、島根、福岡、鹿児島、沖縄の7組合から具体的な提案が示された。

 各県の提案は東京組合が所有する書店会館の買収(東京、鹿児島)、事務所・会議室の取得、中古ビル買収(千葉、長野)、教育研修・情報化推進基金に(島根)、職員退職給与引当金の充当(福岡)、発売日繰り上げ実現の調査費、取次の買収(沖縄)など。

 神奈川組合山本理事長は「会員に全額を返却すべきだという意見が最後まであり、県組合として一本化できなかった。

当初、日書連に財産を移しても課税されないはずだったが、その前提が崩れた。

この間の経緯をまとめ、書店新聞に発表してもらいたい」と要望があった。

 各県から提案の趣旨説明を受けたあと、大橋会長は「財産運用委員会で検討して、10月理事会に結果を発表してほしい」とまとめた。

 ◇理事交替 奈良組合=櫻井晃二(五條市・櫻井誠文堂、所属委員会=組織、増売) 富山組合=丸田茂(富山市・清明堂書店、所属委員会=指導教育、再販研究) ◇退任理事 西本功(奈良)、吉岡隆一郎(富山) ◇派遣委員 書店データベース運営委員会委員=水野兼太郎(埼玉・水野書店)

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