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TSUTAYA×WAVE出版、売れ筋新刊を先行発売/企画段階から両社で協議
日時: 2009/03/24 17:58:12
情報元: 新文化

WAVE出版と(株)TSUTAYAが出版企画から販売までをコラボレーションした書籍『まずはフツーをきわめなさい』が3月25日、TSUTAYAを中心とした六五〇店舗で先行発売される。両社は今回のコラボをテスト販売と位置づけており、WAVE出版としては書店と共同での新たな販売方法を模索するのが狙い。TSUTAYAにとってはPB商品導入への足がかりとなる。とくに、TSUTAYAは今後も、こうした出版社との共同開発・販売を拡大していきたい考えだ。

TSUTAYAでの先行発売期間は約1カ月。期間中に他書店から注文が来た場合は、注文保留扱いとなる。TSUTAYAはその期間に4000部、年内に1万4000部の販売を見込む。取引条件については、通常の委託条件で、TSUTAYAへの販売報奨なども設けていない。約1カ月を経た4月下旬には、TSUTAYA店舗での実績を配本に反映して、同一商品を全国発売する。

告知・宣伝、ウェブ・ケータイサイト「TOL」を運営するツタヤオンラインが3月16日、TSUTAYA会員に向けてWEBプロモーションを実施。物流はMPDが担うなど“TSUTAYA”グループが、一丸となって後方支援する。

今回のコラボは、昨年行われたTSUTAYAの方針説明会で、TSUTAYAがオリジナル商品の開発を出版社に呼びかけ、これにWAVE出版が積極的に応じて実現した。昨年七月から両社は会議をスタート。WAVE出版の『28歳からのリアル(新版)』(10万部発行)がTSUTAYAで12%の売上げを占めていたこともあり、著者の「人生戦略会議」の新刊を共同展開することで話が進んだ。

企画内容はWAVE出版が約30のテーマから3つに絞って、TSUTAYAサイドに提案。著者も交えて話し合った結果、全員一致で同書に決定したという。また、配本は、加盟店の希望数と前作の販売実績をTSUTAYAの本部が集約して決めた。

WAVE出版の玉越直人社長は今回のコラボ企画について、「新しいビジネスモデルが必要な今、小社にとっては販売機会をロスする問題はあるが、まずは試験的にTSUTAYAさんと実施する。読者との出合いの場を創出する方法を試していくのが重要」と説明。さらに、今回の取組みのメリットについて「まずは企画段階でマーケットインの視点で本が作れるのは出版社として財産になる。また、今は新刊を長く置いてもらうことが難しいが、今回は1カ月じっくりと置いてもらえる。さらに、TSUTAYAさんでの実績を他書店への配本にも活用し、返品率10%以内を目指す」と語っている。

TSUTAYAサイドにとっては、売上シェア12%の著者の商品を先行販売できるのは大きなメリット。今回は先行発売というかたちになるが、ゆくゆくはオリジナル商品を開発し、拡大していきたい考えだ。
「出版社が一書店に限定して先行販売」という手段には賛否があるだろうが、出版市場の現状を考えれば、新たな販売方法に積極的にチャレンジしていくWAVE出版のような動きは、もっと数多く出てくるべきだろう。

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