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くまざわ書店グループ、既存店1月期 7.7%減
日時: 2009/02/19 13:29:05
情報元: 新文化


くまざわ書店グループは2月5日、東京・神谷町の虎ノ門パストラルで新春の会を開き、金融機関や取次会社、出版社など約300人が出席した。グループ総帥の熊澤健社長は「既存店の一月期実績は前年比7.7%減、通期予想も7%減と厳しく、それで済みそうもない状況だ。のんびりと新春の会をやっている場合かとの思い、また当初の目的も達成でき、新春の会は今回で中止する」と宣言。だが、研修会などは継続する。当日開催の拡大店長会に出席した遠隔地の店長らは前泊・当日泊が中止されたため、同会の出席を取り止めるなどグループのコスト削減が“かたち”で示された。

08年出版社別年間販売ランキングは集英社が433万冊でトップ、2位が講談社、3位が小学館で順位の変動はなかった。

バイオリンやチェロなど弦楽四重奏が招待客を迎えるなか、新春の会はスタート。財務面を担当する熊澤真専務が登壇し、開会を告げた。
出版科学研究所の08年データを引き、「ネット書店を含む販売実績が3.2%減だからリアル書店はもっと悪いはずだ。昨日、全店の積み上げをしたが、前年に比べ0.3%増と微増に止まり、今期は下手をすると減収になりかねない」と過去10年以上の増収実績にも関わらず、危機感を吐露した。
また、店長などスタッフのスキルやリーダーシップが高まるなど質的な面で成果があったと報告。今期は新規店10店・4000坪を出店する一方、10店程度を閉店、変化に対応する姿勢を表明した。

主催者を代表し、熊澤社長は昨年が未曾有の経済状況でも「想定内であった。コスト管理、マネジメント強化に邁進してきた。天災は一回だけだが、人間の創りだした社会の災害を克服するには手数がかかる。これまでやってきたことを見直し、サバイバビリティの努力を徹底する」と強調。虎ノ門パストラルの改築などもあり、新春の会がピークにある時点で終了すると報告。品揃え強化は営業推進部が当たり、勉強会や研修会で質的向上を図ると訴え、出版社などの協力を要請した。

乾杯挨拶に立ったトーハンの山崎厚男社長は平成20年度が厳しい状況で同21年度も「好転はない」という判断を示し、「日常のコミュニケーションとコラボレーションにかかっている」と杯を挙げ、開宴となった。
中締めで熊澤宏常務は「10年前は店舗数が少なかったこともあるが、月商坪単価が10万円以下の店は17店で占有率が15%。今年1月時点では66店と全体の3分の1。商品回転数も平成16年に年4回を切り、年々落ちている」と現状を説明。
コスト削減を図るため、タイムカードを静脈認証システムに変更。POSレジの履歴を基にした自動発注システムにも取り組み、五月中の稼働を目指していると明かした。
さらに、店舗立地の見極め、ジャンルの選択、スタッフの育成を通じて〈生き残れる店舗づくり〉を追求すると説明し、出席者に一層の協力を要請した。

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