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【 上半期3・9%の大幅減 】日書連
日時: 2008/08/14 08:30:27
情報元: 日書連
参照: http://www.shoten.co.jp/nisho/bookstore/shinbun/view.asp?PageViewNo=6635

出版科学研究所は今年上半期(1月〜6月)の出版概況をまとめた。

出版物販売金額は前年同期比3・9%減の1兆302億円となり、03年の4・1%減に次ぐ大きな落ち込みとなった。

内訳は、書籍が3・6%減の4708億円、雑誌が4・2%減の5594億円と、両部門とも振るわなかった。

 〔書 籍〕 書籍は土台となる07年上半期も3・9%減であることから、実質的な落ち込み幅は数値以上に大きい。

昨年は低価格の教養新書やケータイ小説がよく売れ、販売部数はわずかながら増加したが、今年はこれらのブームが一段落した上、新しいトレンドも生まれなかったことから、販売金額(3・6%減)・販売部数(1・9%減)とも落ち込む結果になった。

 『ホームレス中学生』『女性の品格』『夢をかなえるゾウ』といった大ヒット作はあったが、いずれも前年から継続して売れているもので、今年の新刊でブレイクしたのは『B型自分の説明書』程度。

前年文芸書を席捲したケータイ小説ブームは今年に入って沈静化。

03年に『バカの壁』で始まった教養新書ブームも、『女性の品格』に代わるタイトルが現れず、今年上半期で一段落したと言えそうだ。

 返品率は1・2ポイント増の38・1%。

新刊点数は1・2%減の3万8421点だが、これは1月に倒産した自費出版の新風舎の点数減が主要因。

取次仕入窓口扱いの新刊は2・1%増の2万9656点となっており、売れ行き低迷を点数増で補う傾向が強まっている。

平均価格は、出回りで1・5%減の1124円、新刊は0・9%減の1185円と値下がり傾向にある。

 〔雑 誌〕 月刊誌・週刊誌合計の雑誌販売金額は4・2%減の5594億円。

上半期実績は11年連続マイナスとなり、底に達する気配が見えない。

内訳は、月刊誌が4・4%減の4302億円、週刊誌は3・6%減の1292億円と、両部門とも低迷。

週刊誌は分冊百科を除くと5%弱のマイナス。

販売部数も6・3%減の12億1919万部と大幅な減少となった。

返品率は1・9ポイント増の36・6%。

内訳は、月刊誌が1・8ポイント増の38・1%、週刊誌が2・0ポイント増の30・9%。

月刊誌の返品率はついに書籍並みの水準に達した。

 雑誌不振の要因について「情報源としての役割がインターネットや携帯電話に取って代わられているため」と出版科学研究所は見ている。

これに若年人口の減少という要因も加わり、10代から20代前半を対象とする若者向け雑誌の需要の衰えが目立つ。

いま雑誌読者の中心となっているのは、インターネットや携帯電話が普及する以前の、雑誌で育った30代以上であるとしている。

 不定期誌の新刊点数は増刊・別冊が2626点で5・5%減少。

ムックは4158点で2・1%増と増加傾向にあるが、販売は伸び悩んでいる。

 上半期の創刊点数は87点で、前年同期に比べ8点減少したが、発行部数は分冊百科が寄与して5・6%増。

分冊百科の点数は14点で前年同数だが、デアゴスティーニ・ジャパンは『隔週刊地球の鉱物コレクション』など8点を創刊した。

一方、休廃刊点数は15点減の89点と前年を下回った。

『主婦の友』『ダカーポ』など名の知られた雑誌が休刊した。



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