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【 出版販売金額3.1%の減 】 日書連
日時: 2008/05/27 17:18:52
情報元: 日書連


 出版科学研究所が発行した『2008出版指標年報』によると、2007年の取次ルートを経由した出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は前年比3・1%減の2兆853億円となり、3年連続で前年を下回った。

内訳は、書籍が3・2%減の9026億円、雑誌が3・1%減の1兆1827億円。

書籍は「ハリポタ」などで好調だった前年の反動に加え、低価格商品に需要がシフトした影響で落ち込んだ。

雑誌は10年連続の前年割れとなった。

〔教養新書とケータイ小説が好調/書籍〕 書籍の推定販売金額は9026億円で、前年比3・2%減。

一方、推定販売部数は7億5542万冊で前年とほぼ同じだった。

これは、06年に『ハリー・ポッターと謎のプリンス(上・下)』が刊行された反動に加え、教養新書、ケータイ小説、文庫本など低価格商品に売行き良好書が多かったため、部数に比べ金額が伸び悩んだのが主な要因とみられる。

 金額返品率は39・4%と前年比1・2ポイント悪化した。

06年は買切条件のハリポタが刊行されて土台が低くなったことと、好調だった文庫・新書等に比べて値段が比較的高い商品の売行きが鈍化したことが影響した。

 新刊点数は7万7417点、前年比0・4%減で、前年を下回ったのは8年ぶり。

流通ルート別の内訳は、取次仕入窓口経由の新刊が1・5%増の5万8301点。

06年は1・3%減で歯止めがかかったと見られたロット配本の新刊点数は、再び増加に転じた。

注文扱いの新刊は5・8%減の1万9116点だった。

 新刊推定発行部数は0・6%増の4億405万冊だが、初版200万部で刊行されたハリポタを除くと1%程度の増加。

新刊1点当たりの発行部数は5200冊で、05年から横ばいで推移している。

新刊平均価格は1152円と22円(1・9%)下落した。

 ミリオンセラーは累計210万部の『女性の品格』を筆頭に4点で、06年と同数だった。

07年は教養新書とケータイ小説が非常に売れ、年間売行き良好書ベスト30には教養新書が9点、ケータイ小説が5点ランクインした。

メディア露出のあったものやドラマ・映画原作本が突出して売れる現象が07年も継続。

中高年向けの健康・生き方関連書が安定した人気だったほか、タレントの自伝風小説や名作古典の新訳が売れた。

 07年単行本ベスト10は以下の通り。

 1:女性の品格/坂東眞理子/PHP研究所 2:ホームレス中学生/田村裕/ワニブックス 3:鈍感力/渡辺淳一/集英社 4:日本人のしきたり/飯倉晴武/青春出版社 5:新・人間革命(17)/池田大作/聖教新聞社 6:ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説/関暁夫/竹書房 7:恋空(上・下)/美嘉/スターツ出版 8:国家の品格/藤原正彦/新潮社 9:赤い糸(上・下)/メイ/ゴマブックス 10:君空/美嘉/スターツ出版〔休刊誌が過去最多の218点に〕 雑誌の推定販売金額は1兆1827億円、前年比3・1%減で、10年連続の減少となった。

内訳は、月刊誌が4・1%減の9130億円、週刊誌が0・8%増の2698億円。

週刊誌が前年を上回ったのは分冊百科の好調によるもので、既存の週刊誌は約2%の減少。

インターネットをはじめとした他メディアとの競合、中小書店の廃業による販売拠点の減少、若者人口の減少といった販売環境の悪化に加え、07年は年間を通して売れ筋の核となるものを欠いたことが不振につながった。

創刊誌もほとんどが苦戦を強いられた。

 推定販売部数は3・2%減の26億1269万冊となった。

内訳は、月刊誌が4・0%減の17億2339万冊、週刊誌が1・6%減の8億8930万冊。

金額返品率は、月刊誌が0・9ポイント上昇して36・7%、週刊誌が0・1ポイント上昇して29・5%だった。

 創復刊点数は182点で前年より21点(13・0%)の増加。

主な創刊誌は『AneCan』(小学館)、『GRACE』(世界文化社)、『クロワッサンPremium』(マガジンハウス)、『コミックチャージ』(角川書店)、『ジャンプSQ.』(集英社)など。

分冊百科は前年より7点増の24点が創刊(定期誌のみ)。

中高年向け教養・カルチャー系がヒットしたほか、DVDやグッズの付いた高額の分冊百科が多数創刊され、発行・販売金額面で大きく貢献した。

 一方、休廃刊点数は51点(30・5%)増の218点で、出版科研が出版統計を取り始めて以来最多となった。

出版社の倒産や分冊百科の完結も点数増の一因となっているが、『ダカーポ』『月刊少年ジャンプ』など名のある雑誌の休刊も目立った。

 部門別動向を見ると、経済は株式投資関連誌が大きく下降したが、ビジネス総合誌はお金や生活への不安に絡んだ特集を組んで好調だった。

ムックは新刊点数が増加し販売効率がさらに悪化。

コミックスは映像化作品にメガヒットが少なく前年割れとなった。

 『2008出版指標年報』 B5判404頁、頒価1万2千円。

申込みは出版科学研究所まで。

TEL 03―3269―1379、FAX03―3266―1855


http://www.shoten.co.jp/nisho/bookstore/shinbun/view.asp?PageViewNo=6486
から引用
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