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【 「景品としてのスタンプサービス」について 】 日書連
日時: 2006/10/11 08:35
情報元: 日書連


出版物小売業公正取引協議会は9月21日の理事会で景品にあたるスタンプサービスについて、以下の考え方を統一した。

 スタンプによるサービスは、従来は景品類の提供と考えられていましたが、現在では概ね「値引」と判断されるようになりました。

「値引」は景品類から除かれますので「規約」の対象にはなりません。

「値引」が景品類から除かれるのは法律の規定(景品類の指定告示)に「顧客を誘引する手段として、方法のいかんを問わず、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引に附随して相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益であって次に掲げるものをいう。

ただし、正常な商慣習に照らして値引又はアフターサービスと認められる経済上の利益及び正常な商慣習に照らして当該取引に附属すると認められる経済上の利益は含まない」とあるからです。

 平成8年、景品表示法の運用基準の改正で実質的に「値引」と認められるものは明確に景品規制の対象外となりました。

スタンプによるサービスを考えるとき大切なことは、その態様が「値引」か「景品」かの判断が求められることです。

--------------------------------------------  (値引) 対価の減額、金銭の割り戻し、同一商品の付加(複数回の取引を条件とする場合を含む) ―景品類指定告示運用基準第6項―  (景品規制の適用除外)―割引類似行為―  割引券その他割引を約する証票(金額証、他店と共通して用いられる割引券等を含む) ―消費者景品告示運用基準第4項―                    注1 --------------------------------------------  景品表示法では、その判断基準を次の様に規定しています。

--------------------------------------------  対価の減額又は割り戻しであっても、 ア.懸賞の方法による場合。

 イ.値引した金額の使途を制限する場合。

 (例.旅行費用や観劇の費用等に充当) ウ.同一企画で景品類の提供と併せて行う場合 (例.金銭か物品又は招待旅行等のいずれかを選択させる場合) ―景品類指定告示運用基準第6項―  注2 --------------------------------------------  ただし、次のような場合は景品類の提供に当たり景品規制の対象になります。

 「景品としてのスタンプ」によるサービスは、年間を通して実施する方法ですから、従来は実施期間の制限(年2回60日以内)に抵触し違反とされていました。

 今回、新しく変更された規約の規定による実施期間の制限は、年2回90日以内となり、次に掲げるものについては、適用除外となりました。

 (1) 共同懸賞(懸賞告示第3号第4項) (2) 一の商店街に属する小売業者の相当多数、又は一定地域における事業者と共同して行なう景品類に該当するトレーディングスタンプその他これに類似するサービス券等の提供。

 (3) 購入金額、購入冊数等の購入実績を一定の換算方法に基づいて継続的に記録し、蓄積された購入実績に応じて懸賞によらないで提供する景品類であって、取引価格の100分の2の範囲のもの(施行の日から1年間に限り100分の1) ―規約施行規則第1条―※  ※この規定は、書店業界の正常な商慣習として、現在書店が許容できるぎりぎりの範囲で認めた景品類に該当するトレーディングスタンプ等これに類似するサービス券の提供であって、再販問題を包含している「値引」のポイントサービスを容認したものではありません。

 注1 割引に類する行為について 景品規制の対象外となる「値引」については、初回の取引で対価を減額するいわゆる「値引」の他に、ポイント数が一定の基準に達した場合に、商品代金の支払いに充当できるものも「値引」に含まれることになりました。

 また、「値引」と同様の経済的効果をもたらす意味合いから、景品規制の対象外となる割引に類する行為については、次の様に判断されています。

--------------------------------------------  自他共通割引券・金額証(消費者景品告示運用基準第4項) 総付景品規制の適用除外となる割引を約する証票について、次のものを含めるよう拡大することとする。

 ・他の事業者の商品購入にも共通して使用できるもので、同額の割引を約する割引券。

 ・金額を示して対価の支払いに充当される金額証及び他の事業者の商品購入にも共通して使用できる金額証。

 (公正取引委員会作成資料より)  --------------------------------------------  注2 景品規制の対象となる「同一企画において、金銭・値引または物品のいずれかを選択させる場合」について ポイントが一定基準に達した時に、物品と交換できるものは「景品」として「規約」の対象となりますが、支払いに充当できるものは「値引」と思料されますので「規約」の対象外となります。

 なお、上記注1、2のいずれの場合も、実質的に判断すると、値引(割引類似行為)にあたる部分があると考えられますから、別途、再販契約上の問題が生じる恐れがあります。

 再販規制はいうまでもなく販売価格を拘束している出版社の裁量の問題ではありますが、これらの場合は、トラブルの発生を防止するために、十分注意する必要があります。

 (以上)

メンテ

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