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ネット通販雑誌と連携
日時: 2003/02/20 08:54
情報元: 日本経済新聞 < >
参照: http://www.books-ruhe.co.jp/

携帯電話を使ったインターネット通信販売で、人気雑誌と連携する動きが広がっている。
雑誌で紹介したファッション商晶を携帯サイトで販売する仕組み。
雑誌で商晶をじっくり品定めできるため、十−二十代の女性に人気だ。
ネット通販に関心の薄い雑誌購読者も獲得できる。
新しい販売手法として普及しそうだ。

■商品は誌面で紹介 化粧品や雑貨 女性向けに的


化粧品や雑貨女性向けに的携帯通販サイト運営のネットプライス,(東京・渋谷、佐藤輝英社長)は昨年から角川書店の女性情報誌「ChouChou」、全国情報誌「ウォーカー」シリーズやエス・エス・コミュニケーションズ(東京・午代田)の主婦向け情報誌「レタスクラブ」と相次いで提携した。
商品とともに、購入手続きができるホームページに携帯から接続するためのアドレスを雑誌に掲載。購入希望者が多く集まるほど価格が下がる共同購入方式でファッション用晶、雑貨、アクセサリーなどを販売している。
売り上げに応じて一定の奨励金を出版社に支払う。
出版二社合計で年間一億円以上の売り上げを見込み、今後も提携雑誌を拡大する計画だ。
、伊藤忠商事は四月一日付で、女性ファッション誌の掲載商品をネットと携帯で販売する全額出資子会社「マガシーク」(東京・港)を設立する。
本体で二〇〇〇年八月に事業を開始、売り上げが年商六億円に達したことから別会社化することにした。
現在、小学館、集英社など五社と提携、「マフィン」「ノンノ」などで紹介した洋服、小物雑貨、靴、化粧晶を販売している。
新会社設立を機にアジアを中心とした海外にも事業を広げる方針。
初年度の売り止げ目標は十億円、二00五年度は二十億円を見込む。
三井物産はマガジンハウス(東京・中央)と提携し、昨年十二月に雑誌の掲載商晶などを販売する携帯向けのインターネットサイトを開設した。
「アンアン一」「Hanako」「オリーブ」など計十三誌の記事を載せ、インテリア雑貨、バッグを販売する。
初年度売り上げ目標は三億円。
出版社側では独自に携帯通販に取り組む動きも出ている。
ソフトバンクパブリッシング(東京・港)は今年から雑誌「ケータイBEST」などで携帯関連商晶の販売を始めた。
角川書店も四月に創刊する二十一三十代の働く女性向けの季刊情報誌「セイラ」で携帯サイトを使った商品販売を始める。
各社が携帯通販に力を注ぐのは情報誌の販売不振を物品販売で補完するためだ。
情報誌の不振はインターネットや携帯電話の普及が原因ともいわれる。
出版社は携帯で落ち込む売り上げを携帯通販で取り戻そうとしている。
出版科学研究所によると、二〇〇二年の出版物販売額(取次店経由)は
前年比○・六%減の二兆三千百五億円で、六年連続の前年実績割れ。
消費者がインターネットや携帯で情報を入手できるようになり、支出もこれらに流れたため、情報誌や実用書の売れ行きが落ちたとの見方が業界では強い。
昨秋から女子中・高校生向けのファッション月刊誌でTシャツなどの限定商晶を販売する祥伝社(東京・午代田)は「出版不況で売り上げが伸び悩むなかで重要な収益源。今後も通販部門に力を入れていきたい」と期待を寄せる。
角川書店は携帯通販の場合、売り上げの約一〇%をサイト連営者から受け取る仕組みで、三年後をめどに四十億−五十億円の売上高を見込む。
ただ、どの雑誌でも携帯通販が成功するわけではない。
「人気雑誌として定着していることに加え、通販雑誌とはひと味違う商品の見せ方ができるセンスが必要」(角川書店)という。

≪日本経済新聞
2003/02/17(月) 15面より引用≫

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