私は最初、友達に恋空を借りました。友達は「最後のページは絶対に最初に見てはいけない。」と言ったので見ませんでした。初めは、どんな話なのかわくわくしていました。みんなが、「泣けるから。てか下巻で泣かない奴、人間じゃないわ。」って言うんで、あまり泣かない私は、もし自分だけ泣かなかったらどうしようなんて思ったりもしました。ところが、小説の後半に入ったぐらいから自然と涙がどばどばでてきて、涙が止まりませんでした。それは、この小説にもかなりの感動を与えられました。それといっしょに、友達のことも思い出されました。私は今14歳で中学三年生です。小学六年生のときに東京に引っ越してきました。そしてこっちに引っ越す二週間前に親友を亡くしました。まるで私の引越しにあわせるように。その子は玲奈といいます。玲奈は生まれつきの大きな病気を抱えていました。リンパ管がはれてしまって、ほっぺがおたふくよりもずっとはれていてクラスの男子に「ひょうたん」とよばれていました。背も低いため、しょっちゅう何か言われていました。でも私は、親友のくせに馬鹿にしている男子達をとめることができませんでした。勇気のない意気地なしです。そしてヒロのように、亡くなる前日までいつものように「まりほ遊べる?」と電話をしてきました。でもたまたま用事がはいってしまい、その日は遊べませんでした。明日も遊べるからいいや。と思って次の日学校へ行くと、玲奈は学校にきていませんでした。朝礼のとき、校長が「かなしいお知らせがある」と言ってゆっくり話しはじめました。「昨日病院で久保玲奈さんが……」…耳を疑いました。周りはみんな泣いているのに涙がでない。声がでない。一瞬絶望的になり、頭の中が空っぽになりました。その瞬間まで“死”と言うものが理解できていなかった私にはどうすることもできませんでした。美嘉さんの感情は痛いほどわかります。ものすごくわかります。このときの心の痛みは忘れられませんよね。玲奈は、亡くなる一週間前ぐらいから毎日、電話で「まりほ遊べる?」ってかけてきました。以上に遊びたがっていました。自分が死ぬのを予感していたんですね。わかっていたんですね。きっとヒロも同じ気持ちだったんでしょう。亡くなってから出てきた玲奈の日記には、『今までで一番うれしかったこと』と言うスペースに、「まりほと出会えたこと」とかいてありました。涙が出続ける私は、玲奈の分まで精一杯生きる。と決めました。けれど、この小説に出会うまで『玲奈の分まで生きる』と決めた、忘れかけていた自分との約束をこの小説で強く思い出されました。そして当時よりももっともっと強く自分と約束しました。この本に出合えてよかったです。 天国でヒロと玲奈が話してるでしょうかね。なんかすぐそばに玲奈がいるような気がします。 |